いつものようにお気に入りのブーツをブラッシングしてご機嫌な私。…ふと気づきました。
「似たようなデザイン、多くない?」
現在の靴数は革靴とブーツを合わせて約20足。コレクションの偏りは以前からなんとなく感じていたんですが、やっぱり好きなものは好きということで、かまわず手に入れてきた結果です。
ただ最近は靴数もそこそこ増えてきましたし、次に買うブーツを決めるためにもここらで一旦整理すべきかと。(これ以上買うとそろそろ妻に怒られそうですが…笑)
せっかくなんで、それぞれのデザインの特徴や由来、こぼれ話なんかを紹介できれば。
由来で納得!内羽根と外羽根の違い
まずはデザインというよりスタイルの違いにフォーカスします。
向かって右が内羽根と呼ばれるスタイル。左が外羽根です。
外羽根式はレースステイが甲の上に載っている形状をしています。
靴紐を解くと履き口が大きく開くのでで着脱しやすく、フィット感の調節も可能です。ルーツは軍靴ということもあって、活動的で「カジュアル」なイメージにも納得です。
一方内羽根のルーツは英のアルバート公が発案した室内執務用のミドルブーツと言われています。
レースステイは甲の部分と一体となっており、外羽根式と比べフィット感の調節幅が小さめ。その分スマートな見た目になり「フォーマル」な場で使用されることが多いです。
仕事柄、スーツを着ないので内羽根式はビジネス用のこの一足のみ。…大人失格です笑
フォーマルな場に最適なのは、内羽根式、黒のストレートチップと言われていますが、実は最もフォーマル度が高いのはこちらのパンプスらしいです。
タキシードに合わせて格式のあるパーティに履いていくらしい「オペラパンプス」
う~ん…どう考えても私には縁がなさそうですね笑
短靴(シューズ)とブーツ
革靴好きにも色々ありまして、その一つが短靴派とブーツ派だと思っています。スーツを着る仕事の方は短靴派が多い印象。で、当然私はブーツ派。
短靴はビジネス用も合わせて4足。一方ブーツは15足と大差がつきました。

一時期、ブーツが増えすぎて短靴に興味を持ったこともありました。何足か履いたんですが、やっぱりブーツに比べるとフィッティングが難しい気がします。
1950年代から定番商品として作られ続け、米国郵便局の指定靴に採用されるなど、幅広く支持された名品です。2000年代に一度は廃盤になりながら、多くの要望を受け復活を果たした、レッドウィング・ポストマン。その魅力とディティール[…]
足首まで固定するブーツなら多少大きかったり、ラストが合わなくても強引に締めこんで馴染ませることもできるんですが、短靴だとそうもいきません。おまけに履き口の高さによってはくるぶしに当たって血だらけになったり…
ジーンズしか履かない私にとってはブーツの方が合わせやすいと感じています。次に買うとしてもやっぱりブーツかなぁ。
レースアップブーツとそれ以外
紳士靴の本流はやはり紐で締めあげる「レースアップ」でしょう。

私の所有靴のほとんどはレースアップです。グッドイヤー製法の靴は履きこむと中モノのコルクが沈み、サイズ感が変わることも良くあります。そんな場合でもレースアップなら問題なく対応できます。
毎回結び直す手間はあるものの、長い目で見れば安心感のある実用的なスタイルですね。靴紐を変えるプチカスタムが楽しめるのも大きなメリットかと。
革の種類やカラー。使用されるラストのシルエット。アウトソールの素材、形…靴の印象は様々な要素の組み合わせで大きく変わってきます。「履き心地は良いけどもう少しドレッシーな方が好み…」とか、逆に「カッコイイんだけどフォーマル過ぎて合わせ[…]
一方、サイドゴアやローファーのように紐の無いタイプは最初からタイトなジャストサイズが求められます。私の場合は少々やりすぎて、先ほどのジャランスリワヤがタイトすぎて履く気がおきない、という落とし穴にはまってしまいまして…笑
という事で今のところ、所有靴はレースアップに偏っていますが、次に買うならモンクストラップ系もいいかもしれません。多少のフィッティングは調整できそうですし。パラブーツのウィリアムとか…欲しいなぁ笑

手持ちのブーツならダナーフィールドがそれに近いですね。
ご覧の通り、ベックマンと比べると雰囲気がかなり違って見えます。もともとはつま先まで締め上げることでフィット感を高める事を目的としています。
逆に甲が高すぎる人や、厚手の靴下を着用しているときは緩めることで調整が可能。
ただシワがつま先寄りに集まるので、少々好みが分かれるかもしれません。
「特徴が無いのが特徴」王道プレーントゥ
ここからは装飾、デザインの紹介です。
名前の通りつま先(トゥ)に装飾の無いシンプルな見た目のプレーントゥ。装飾が無い分シルエットや革質、造りの良し悪しなど、その靴のポテンシャルが如実に表れます。革靴と聞いて最初に思い浮かべる形でしょうか。
手持ちの靴の数では最多の10足ありました。
履きこむとツルっとしたヴァンプに現れるシワと濃淡。ブーツ好きからすれば、最もエイジングが楽しめるデザインで、所有数が多くなるのも仕方ないかと。
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ブーツに興味を持つきっかけになったのはレッドウィングのベックマンでしたが、へそ曲がりの私が最初に買ったのはウルヴァリン1000マイルブーツ。まぁ結局そのあとにベックマンを色違いで2足購入することになりますが…

シンプルだからこそ、それぞれの靴、革の特徴がダイレクトに現れるのが最大の魅力。
たださすがに多すぎる気もするので、次は違うタイプにしようとは思っています。まぁベックマンを買う前にも同じような事を言ってたので何の保証もできませんが笑
き、き、来ました!我が家で5足目となるレッドウィング。先日開催されたamazonプライムデーの戦利品です。今年に入って購入した靴はAldenの2足。自分の中では日常的に履く靴ではなく、どちらかというとキレイに履いてい[…]
「バランス良好」ストレートチップ・キャップトゥ
最もフォーマルな服装に適しているともいわれるストレートチップ。本場イギリスではつま先にステッチがついた靴はキャップトゥと呼ばれています。
靴職人が先芯を入れる際の目印がデザインに取り入れられた説とか、つま先を綺麗に仕上げる技術が未発達な時代に別の革で覆う事で美しく仕上げた説とか、由来は諸説あって面白いです。
我が家には5足ありました。正直かなり好きなデザイン。
履き皴が付くまではどうしてもツルっとした表情のプレーントゥと違って、ヴァンプのステッチがちょうど良いアクセントになってくれます。
もちろんどれも同じというわけもなく、使用される木型やステッチの違いで印象も変わります。

パラブーツのヌイイはドレッシーな、まさにストレートチップといった精悍な顔つきですが、写真右のレッドウィング、アイアンレンジは補強のためのキャップトゥを再現しているため、多重ステッチで無骨な印象。真ん中のオールデンはステッチに穴飾りが施されたパンチドキャップトゥ。華やかな印象です。
好きなデザインとはいえ積極的に増やす必要もないかなぁというのが今の気持ちです。次のブーツは別のデザインを、と考えています。
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「足元に華やかさを」ブローギング・ウィングチップ
ステッチに穴飾りがついた靴をブローギングシューズと呼び、中でもつま先のブローギングがW状のものはウィングチップとも呼ばれます。
現在は装飾性が注目されるようになっていますが、もともとはスコットランドやアイルランドの労働靴が起源です。
爪先の2重になった革に小さな穴をつくることで、水が革の表面全体に広がるのを防ぐとともに、革内部の通気性を高める役割も担ってきました。
足元が華やかになる反面、エイジングは感じづらいように思います。
我が家にあるのは短靴とブーツで各1足、合計2足でした。かなり装飾性が強いので、どうしてもキャラクター分けができず、何足も持つのは敬遠しがちです。
ただずっと憧れていたのが「ロングウィングチップ」。

外羽根式のフルブローグで、ブローギングがかかと部分まで一直線につながっています。アメリカンヴィンテージと言えばコレ、といえる意匠です。アメリカ靴の伝統的な装飾で、カジュアルでタフな印象になります。
今年こそは「夏でもブーツ」を完遂するつもりでしたが、さすがに毎日は暑すぎる事に気づきまして・・・といってもまだ6月なんですが笑そんな理由で夏用に再び短靴を探していたんですが、色々みているうちに古靴への興味がむくむくと湧いてきました。[…]
キャラの濃いウィングチップを増やしたいとは思っていないんですが、正直、赤茶系のロングウィングチップは欲しいんですよね。オールデンのNo8カラーみたいな…
「ワークブーツの王道」モックトゥ、Uチップ系
甲からつま先にかけてモカシン縫いと言われるステッチを施された靴の総称です。起源はゴルフなどの野外スポーツ用なので、カジュアル色が強い印象。
我々ワークブーツファンにとってはアイリッシュセッターで超お馴染みの意匠ですね。
我が家のモックトゥは2足。憧れはあるものの、どうもしっくりこない感じで控え目な靴数です。
このモカシン縫いにも、合わせモカや被せモカといった技法の違い、Uチップ、Vチップといった形の違いなど様々な種類があります。

モックトゥのワークブーツは欧米人のようにガタイが良い方が履くとカッコいいんですが、ザ・日本人の私が履くとどうもしっくりきません。トゥの立ち上がりが大きいのも一因なのかも・・・
もともとは茶系と黒を一足ずつ持っていたんですが、先日のトラブルでレッドウィングアイリッシュセッターを黒く染め替えてしまいました。
なんとなく時間が空いた日曜の昼前。そろそろクリームを入れようと思っていたアイリッシュセッターに目が留まりました。「昼ごはんまで少し時間があるし、サラッと手入れしとこうかなぁ」なんて軽い気持ちで靴を持って部屋の中へ。こ[…]
これはこれで満足なんですが、やっぱり茶系のモックトゥも1足欲しいような気持ちが。もう少しドレッシーなデザインならハマるかもしれません。
次回購入の大本命です。
まとめ
ブラッシングしながら撮影していると、途中からブーツを撮影すること自体に夢中になってしまいました笑
今回はしっかり手持ちのブーツも確認できましたし、まぁ「良し」としておいてください。
さて、次回購入の本命は茶系のモックトゥですね。次点が赤茶のロングウィングチップ。とか言いながら、全然違うものを買ってたりして…次も楽しいご報告ができればいいんですが。
最後はお気に入り、キャップトゥブーツの着画です。それではまた。
Aiden jumperboots / with A.P.C Petitstandard