【初めての鏡面磨き】ワークブーツ好きがハイシャインに挑戦・・・結果は!?

仕事柄スーツを着る機会が少ない私にとって、デニムに合う革靴・ブーツが専門で、ドレスシューズはこれまで興味の範囲外の存在でした。

ところがSNSでピッカピカに磨き上げられた革靴たちを見ているうちに、どうしてもウズウズとメンテ好きの血が騒いでしまいまして…。

もともとワークブーツ好きから始まった私の靴道楽なので、鏡面磨き(ハイシャイン)はやりすぎ感があるというか、どうしても積極的にやろうという気が起きなかったんですよね。

ただ靴の趣味がどんどんドレッシーなものに移っていくのと同時に、1度も体験をしないのもどうかと感じるようになりまして。

今日は数少ない手持ちのビジネスシューズで初めての「鏡面磨き」を体験した記録です。後半にはワックスを除去したときの様子も。最後までお付き合いいただければ。

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被験靴「YOSUKE U.S.A」の状態を確認!

私が所有しているビジネスシューズは冠婚葬祭用の黒のガラスレザーと、こちらの「YOSUKE U.S.A ストレートチップ」のみという、圧倒的レパートリーの少なさ。

前回履いたのは2年前ぐらいでしょうか。もういい歳なのでライナーまで赤いこの靴はちょっと気恥ずかしかったりするんですが、あまりに着用頻度が低いので買い替える気にもなれず…履き心地も意外と快適なんですよ。

もう少し近寄ってみます。前回はクレム1925でメンテしたはずなのでそこそこ光っていますし、このまま履いて出られるレベルですね。

アッパーは水牛の革だったと記憶していますが、普通のカーフに比べシワが付きやすいような気がします。

バックショットも。

購入から5年ほど経っていますが登板回数は数えるほど。ソールの減りもほとんどありません。って2年に1度履くぐらいなんで当たり前なんですが。

 

まずは普段通りのメンテを

とにもかくにもクリーニングですね。いつものように靴紐を外してステインリムーバーで古いクリームと汚れをリセットします。

完全にクリームを落とし切りましたが、何とものっぺりした表情です。高級な靴ではありませんが、革自体に問題はなさそうです。

次にデリケートクリームとクレムのコニャック色を入れていきます。

バーガンディでも良かったんですが少しでも茶色に近づいてくれればと、淡い期待も乗せて。

指で直塗り→化繊ブラシ→乾拭きという普段通りのメンテコース。

いつも通りのきれいな仕上がりです。これで完成でも全く問題ないんですが、というより「これ以上はトゥーマッチ」だとも思いますが…今回のテーマは鏡面磨き。ここからが本番なんです。

ボヤっと景色が映り込むトゥ先端。普段使いならこのぐらいのツヤがベストかと。さぁここからどれぐらい光らせることができるのか、楽しみ半分、不安半分。

 

目指せトゥルトゥル!まずはベースづくり

鏡面加工するのは芯材の入った「トゥ(つま先)」と「ヒール(踵)」周辺のみ、というのが鉄則です。

ヴァンプなど、すでに皴がついている部分は歩行時に屈曲があった証拠。ここにワックスを塗ると簡単に割れてしまいます。

私の手元にあるワックスは無色のコチラのみ。一択です。

まずはベースを作るために指で直接乗せていきます。薄く何重も乾燥させながら重ねるのが基本と聞きますが、とりあえずガッツリ乗せました。後で研ぐので大丈夫でしょう。

素人が鏡面を失敗する理由でよく挙げられるのが、ワックスが乾燥する前に磨いてしまい膜を剥がしてしまうこと。それならガッツリ乗せて完全に乾燥させてしまおうという作戦です。

五分ほど乾燥させてもう1回重ねたのがコチラ。

ベースとして固着させるために、この状態で更に15分ほど放置します。

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鏡面磨き本番!

しっかりベースが形成できたはずなのでいよいよ磨いていきます。

準備したのは少量の水とワックス。指に巻いたウエスを湿らせて磨いていきます。

鏡面磨きでは指に巻くウエスはシワの無いようピンと張るのがポイントらしいんですが、これがなかなかに難しい…

なんとか巻き終えました。この辺はもうすこし修行が必要ですね。

鏡面磨きに最適な水分量も素人には難題。多すぎると革が水分を吸ってしまいワックスが乗らなくなってしまいますし、少なすぎると布の繊維がワックスの膜を剝がしてしまいます。

ということで、左手の甲にチョンチョンとウエスを当てて湿り具合を確認しました。甲には水滴がつかずほんのり湿り気が感じられる状態。

湿ったウエスに少量のワックスをとって、片側のトゥ、カカトと指を滑らせるように磨いた後、反対側も同じ手順で磨いていきます。これを交互に何度か繰り返します。

交互に行うことで磨いているうちに反対側が乾燥する時間をつくる事ができるので、ワックスの層を形成しやすくなります。終盤はワックス無しで水だけで。

磨き始めて15分ほど。みるみる輝いていく愛靴。これはとんでもなく楽しい作業ですね。

ジャン!

鏡面らしい美しい反射が見て取れます。これ、初めてにしては上出来ではないでしょうか!?

以前パラブーツに薄くワックスを塗ったことがありましたが、その時とは輝きの種類が違います。ワックスを厚めに塗って、しっかり乾燥させる今回の作戦。大成功です。

 

仕上がりのチェックと着画タイム

かかと部分も磨き終えてシューレースを通しました。

バックショット。もちろんワックスが乗ったかかと部分もトゥルトゥルです。

改めて正面から。ドレスシューズらしく靴紐はシングルで締めました。

ワックスの乗ったトゥの輝き。イタリア男のようなセクシーさ。これで通勤するのはオッサンの私にはちょっとハードルが高いような…笑

実際に履いてみましたが見慣れないせいか、つま先だけ浮いているように感じてしまいますね。

真上から。一応靴の側面にも薄くワックスを塗って、一体感を出したつもりなんですが、もう少し鏡面の境目をぼかすほうがいいんでしょうか。まだまだ勉強です。

ジーンズでも合わせられそうかと思いましたが、よく考えたらジーンズに合わせる靴は山ほどあるので、そっと靴箱へ戻しました笑

 

さて、今回はワークブーツ好きの初めての鏡面磨きでしたが、思ったより素直に光ってくれて安心しました。何よりこの加工、めちゃくちゃ楽しいです。

磨けば磨くだけ輝きを増す様子はハマってしまう人が多いのも納得の楽しさ。

今回の施工時間は1.5時間程度ですが、上手な人は数十分でもっとバランスよく光らせることができるという奥の深い世界。私もハマりすぎてワークブーツにまで鏡面磨きをしてしまいそうなんで気を付けないと笑

 

ワックスを落としてみる

鏡面磨きを終えて1週間。実は気になっていたことが1つ。

「ワックスは簡単に落とすことができるのか?」という事です。

油性ワックスはいつもの中性ステインリムーバーでは落とせないのは理解しているんですが、専用のクリーナーでも擦らないといけないのか?革へのダメージは?など、考え出したら不安になってきました。

実際にワックスを落としてみて確認したいと思います。

準備したのは「Boot black/ハイシャインクリーナー」と「Creme1925/ニュートラルカラー」の2種類。

ハイシャインクリーナーは文字通り鏡面の除去に特化したクリーナー。今回初めて使用しますが、裏面には「ワックス加工以外の部分には使用しないでください」と注意書きが。洗浄力の強さがうかがえる反面、革へのダメージも心配です。

一方、クレムのニュートラルカラーですが、油性であることと、クリームに含まれる有機溶剤がワックスの層を溶かす効果があるとのこと。洗浄力さえ問題なければ保革成分たっぷりのクレムですから、ノーダメージでワックスを落とせそうです。

まず左足は「Boot black/ハイシャインクリーナー」で。

たっぷりめに塗ってワックスが溶けだしたタイミングでウエスで拭き取りました。1回では取り切れて無いと感じたのでもう一回。

スッキリすっぴん状態に。力はほとんどいりません。結構すんなり落とせましたし、ガビガビに乾いたり色が落ちたようにも見えません。

続いて右足。

「Creme1925/ニュートラルカラー」も同じ使い方で2回拭き取りました。

こちらも問題なくするりと落ちましたし、洗浄力も大差ないように思います。

両足を比べてみましたが、正直違いが判りません。もっと厚くワックスの層があれば違いを感じられたかもしれませんが、今回はどっちを使っても問題ないというのが結論ですね。

ただ、洗浄力に差がないのならクレムを使う方が精神的には有利かと。つけ過ぎても問題は起こりにくいでしょうし、余っても普通のケアの時に使用できますから。

ダメージも少なく、簡単に落とせることが分かったので、これで安心してほかの靴にもハイシャイン加工ができそうです。

 

まとめ

「鏡面磨きはとにかく楽しい!!」これにつきます。メンテ好きの方ならまず共感していただけるかと。

光らせることも、落とすことも意外と簡単にできたのも収穫です。革へのダメージも思ったほど大きくなさそうですし、未体験の靴好きの方にはぜひやっていただきたいと思います。ますますメンテが楽しくなること間違いなしです。

鏡面磨きの利点はそのドレッシーな見た目だけではありません。

ロウの膜を作り出すことで、傷のつきやすいつま先やかかと部分を保護することができますし、コードバンなど水に弱い素材では、水分から革を守ってくれます。

キズもエイジングとして魅力の一つとなるワークブーツと違い、ドレスシューズへのハイシャイン加工は理に適っているんですね。

手持ちの靴ではパラブーツとジャランスリワヤ。この2足は次のメンテで鏡面磨きをやってみようかと考えています。

最後はハイシャインを正面から。それではまた。

With  APC/Petitstanderd

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