私がブーツにはまるきっかけにもなった「ウルヴァリン1000マイルブーツ」。
最初から超が付くほどのお気に入りで、逆に気を使いすぎてこれまでなかなか出番が回ってこなかった不遇のブーツでもあります笑
先日レッドウィング9411を手に入れたこともあって、休日のローテーションとして気軽に履けるようになってきました。
前回のメンテは約1年前。出番少な目とはいえ、さすがにそろそろお手入れしないといけませんね。
現状の確認とクリーニング
遠目に見ていると全く問題ないような佇まいですが…
近づいてみるとアッパーの上部やタンは少し乾いているように見えます。
シューレースを外すと目立つ座金の跡。クイックシューレースでは避けられない傷です。そこに目を瞑っても革がパサついているのがよくわかります。
ということで、まずはクリーニング。いつものようにステインリムーバーとお湯拭きです。
ウエスに前回のメンテで入れたクレム1925のコニャックの茶色が移っていきます。
クレム1925は強い艶が出ることで有名。その頃は自分の中でクレムが大ブームになっていたこともあって、このブーツにも使用しました。
当時はツヤツヤになって喜んでいたんですが、最近このブーツを眺めているとどうも以前より平面的というか、ややのっぺりした印象が…。
なので今回は別のクリームを入れる予定。とりあえず残ったクリームを完全に除去します。
無事お湯拭きも完了してすっぴん状態に。マットながらクロムエクセル本来の美しさを感じられます。
クロムエクセル×アニリンカーフクリーム
使用するクリームは前回の反省も込めて色付きクリーム以外で考えていたんですが、それでも選択肢は多種多様。
無色のクレム1925、シュプリームデラックス1909…などの油性・乳化性のクリーム系はもちろん、オイルドレザーなのでオイル仕上げももちろん有りですしね。
で結局選んだのは、初心に返ってM・モウブレイの定番、「デリケートクリーム」と「アニリンカーフクリーム」。わりと保守派なもんで笑
ブーツを履き始めたころは何にでもこの2つのクリームでメンテしていたので安心感は抜群です。
ウルヴァリンも初期はこのクリームばかりでしたが、その頃の仕上がりがかなり良かった思い出もありまして。
久々のメンテなのと冬の乾燥を考えてデリケートクリームは指で直接塗り込んでたっぷりと保湿しました。
しっかり浸透した頃合いでいよいよクリームを。
乳化性のアニリンカーフクリームも指で直接塗っていきます。少しずつ薄く全体に塗り広げるイメージ。
塗り終わったら豚毛ブラシでクリームを革に浸透させるためマッサージするように擦っていきます。この時点でも少しずつツヤが出てきていますね。
全体のブラッシングか完了したら少し時間を置きます。
1時間後、残ったクリームで少し曇ったようなツヤになっていますが、さてさて、ここからが楽しい仕上げの時間です。
仕上げは乾拭きと馬毛ブラシで
まずは化繊ブラシで、浸透しきれず表面に残ったクリームの除去です。結構強めの力でガシガシとブラッシング。
さらにネル生地のウエスで軽く乾拭きしていきます。
今まではやらない事も多かった乾拭きですが、最近コードバンの靴をメンテすることが増えてその大切さを実感するようになりました。スッキリと仕上がります。
表面に残ったクリームはただの油汚れのようなもの。百害あって一利なしですから。
弱めの力加減でしつこいぐらい繰り返すのがポイントです。
最終段階は馬毛ブラシで強めのブラッシング。みるみる輝きが増していきます。
両足ともブラッシングが終わればシューレースを通して・・・
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・・・完成!
バンッ!
自然で柔らかいツヤ感。しっかりと油分や栄養が補給され、どの部分もしっとりと落ち着いた色味が出ています。
色付きのクレムで仕上げた前回と比べると、艶のギラつきこそ敵いませんが、革のしっとり感もあって立体的なエイジングを感じられる、自然な仕上がりで大満足です。
バックショットも1枚。
くるぶしの部分のふくらみも、細かい皴が付くわけでもなく美しいカーブを描いていますし、ヒールカップの輝きも十分です。
気になっていたタンですが、ここも油分がしっかり補給されてモッチリとした質感に。
程よい艶と革の肉厚さを感じられます。
早速試着して、真上から撮影してみました。
含有する油分が多いクロムエクセルらしい濃淡。ニュートラルのクリームを使うとより自然に表現できるような気がします。今回は個人的にも最高の仕上がりです!
まとめとメンテ後の試着タイム
今回のメンテ、クロムエクセルにアニリンカーフクリームはベストチョイスの1つと言っていいと思っています。
そもそもウルヴァリンはワークブーツ。シワや傷がついてカッコ良さが増していきます。それを色付きの油性クリームで隠そうとするのは本末転倒なのかもしれませんね。
レザーのエイジングを生かすニュートラルカラーの仕上げ、私の好みにバッチリハマリました。というかハマりすぎてこのまま保存したいぐらい笑
ガシガシ履くのはベックマンに任せて、ウルヴァリンはゆっくり、じっくりエイジングを楽しもうかと。
最後は着画です。テンションが上がったので少々多め笑 それではまた。
With A.p.c / Petit new standerd
With A.p.c / Petit new standerd
おまけ
試着終わりのウルヴァリン1000マイルブーツ。いや~脱いだ後もカッコいいス…(自己満足全開)
「鋼のように頑強なソールとアッパー。シルクのような柔らかな履き心地」「1000マイル歩いても壊れない。疲れない」ブーツ好きには超有名なこのキャッチフレーズは、通称センマイとも呼ばれるWolverine 1000mile bootの特[…]