革の種類やカラー。使用されるラストのシルエット。アウトソールの素材、形…靴の印象は様々な要素の組み合わせで大きく変わってきます。
「履き心地は良いけどもう少しドレッシーな方が好み…」とか、逆に「カッコイイんだけどフォーマル過ぎて合わせづらい」など、靴そのものは気に入っているのに、履く機会が少ないものってありませんか?
そんな時は新しい靴を買うチャンス到来!…でもいいんですが、その前に靴紐を替えてみるのは如何でしょうか?
靴紐は消耗品です。長く靴を履いていると、毛羽立ってきたり切れてしまったり・・・そんな風に問題が起こってから交換する事が多いですが、靴紐の効果を侮ってはいけません。靴紐は数百円から1000円前後で販売されており、費用をかけずに大きく印象を変える事ができる優れものなんです。私物の写真を織り交ぜながら、靴紐交換について紹介します。
好みのタイプは?革靴用靴紐の形状
革靴に使用される靴紐には大きく分けて2つの形状があります。
それぞれ「丸紐」「平紐」と呼ばれます。写真上が丸紐、下が平紐です。
どちらのタイプでも、細ければドレッシーに、太ければカジュアル寄りな印象になります。
「丸紐」は紐の捻れを気にせず結べるため、着脱はかなり楽に。洗練されたモダンなイメージで革靴の紐といえばこのイメージが強いですね。
対して「平紐」は甲をホールドする面積が広い為フィット感が高くなるのが特徴。スニーカーは平紐が多いです。
丸紐と比べクラシックな雰囲気。ただ捻れないよう結ぶのは少し手間がかかります。
写真上がドレスシューズ用の丸紐。下のワークブーツ用と比べると太さの違いは一目瞭然です。
革靴用靴紐の加工による区別
一般的なのは「ガス紐」でしょう。表面を炙って毛羽を抑えた紐です。安価な反面、毛羽立ちが起こりやすく、耐久性は低いです。最近は100均でも買う事ができます。
これに対し「ロー引き紐」はその名の通り蝋やシリコンで表面が覆われている為、高い耐久性を持っており、比較的高価です。といっても1000円前後ですが。光沢もあるので見た目も高級です。
カントリーシューズやワークブーツによく使われるのが「編み紐」です。表面に出る柄から石目柄とも呼ばれるカジュアルな印象の靴紐です。ニット調に編み込まれている為クッション性に富み、足のコンディションの変化にも対応しやすいといわれます。
私物ブーツの靴紐交換
実際に靴紐を交換したブーツを写真で紹介します。右足に純正の靴紐を、左足は靴紐交換後の姿です。
■ 「平紐」から「ロー引き平紐(細)」
Wolverine 1000mile boot rust
かなりお気に入りの一足です。純正も平紐でしたがワークブーツらしく太めのもので、長さも足首に巻けるほど長かったので紗乃織靴紐の平紐に交換しました。
値段は1300円ほどと少し高めですが、こちらの靴紐は先端(セル)が金属製になっており雰囲気抜群。元の状態も好きだったので同じ平紐をチョイスしました。
雰囲気は大きく変わりませんが少しだけドレッシーに。
ウルヴァリン1000マイルブーツの詳細はこちら↓
鋼のように頑強なソールとアッパー。シルクのような柔らかな履き心地。1000マイル歩いても壊れない。疲れない。出典:wolverine.comこのコピーに心踊らない男はいないでしょう。私が初めて手に入れた本格ブーツで、[…]
■ 「平紐(太め)」から「丸紐(太め)」
Redwing 9014 beckman
純正のロー引き平紐を同じくレッドウィング製の黒/茶丸紐に交換しました。
純正の平紐は蝋分が多い上にハトメは小さいので締めたり緩めたりに苦労していました。使用しているうちに紐が痩せて楽になってくるはずですが、そこまで待てず・・・
ウルヴァリンとは逆にワーク感が強調されワイルドな表情に。着脱も断然楽になって出番が増えました。
レッドウィング9014ベックマンの詳細はこちら↓
ワークブーツファンのみならず、世界中のアメカジファンを魅了するRedwing。その中で群を抜いてドレス色が強いブーツがベックマンです。名前の由来は創業者チャールズ・ベックマン。その名前を冠したベックマンブーツは今ではRedw[…]
■ 黒から茶(ウェルトに合わせたカラー変更)


丸洗いから一週間たった中古レッドウィング8190。前回の丸洗い編エントリーはこちら↓[sitecard subtitle=関連記事 url= https://ramshiruba.com/8190_roughtough_wa[…]
■ 「平紐(細め)」から「丸紐(細め)」
短靴もかなり雰囲気が変わります。
大好きなレッドウィングの名作ポストマン。細めのナイロン製の平紐を細めのロー引き丸紐に。
Redwing 101 postman
この丸紐はコロンブスの通常ラインのもので、お値段は200円ほど。百貨店の靴売り場で購入しましたが・・・安い!
アッパーも艶の有る加工レザーですので一気にドレスシューズの佇まいになりました。
靴紐の捻じれを気にせずに履けるのは時間の無い朝には助かります。今では通勤でも履いて行くお気に入りです。
レッドウィング101ポストマンの詳細はこちら↓
1950年代から定番商品として作られ続け、米国郵便局の指定靴に採用されるなど、幅広く支持された名品です。2000年代に一度は廃盤になりながら、多くの要望を受け復活を果たした、レッドウィング・ポストマン。その魅力とディティール[…]
■ 薄茶から濃茶(パイピングに合わせたカラー変更)
色味を変えるだけでも雰囲気はかなり違ってきます。
Redwing 9875 irishsetter
レッドウィングといえば茶/黄のタスランシューレース。ただ余りにもメジャー過ぎるのと、色が明るすぎるので合わせづらく感じていました。で、茶一色の丸紐に。
ACTICAの120cmブラウンでお値段は500円ほど。値段の割りにかなりしっかりした紐で今のところ全く問題無く使用できています。コスパの良いブーツ用の靴紐をお探しならコレでしょう。
見た目も締まった印象になって格段に合わせやすくなりました。
レッドウィング9875アイリッシュセッターの詳細はこちら↓
レッドウィングと聞いて思い浮かべるのはやはりアイリッシュセッターでしょう。私のモノは型番9875で復刻モノです。様々な時代を経て今も愛されるこのブーツをレビューしていきます。[outline]アイリッシュセッター98[…]
■ 靴紐をオーダーする(平紐からロー引き丸紐)


先日手に入れた憧れのジラードブーツは美しいモックトゥのドレスブーツ。我慢できずに届いたその日に足入れと記念撮影までしたんですが・・・製造は2015年なのでおよそ6年前。未使用品で見た目にも状態が良いように思えますが、やっぱりプレメン[…]
靴紐交換まとめ
靴紐は見た目だけでなく、フィット感や履くときの利便性などにも大きく影響があります。お値段も手頃ですので、不満な点があれば、まずは靴紐の交換がオススメです。
交換の際はハトメの数が紐の長さの目安になりますが、純正の紐の長さをしっかり測っておくほうが無難です。羽根の閉じ方やハトメ間の距離などで前後しますので。
最後はさらに紐交換でお気に入りとなったベックマンの着画です。では、また!!