先週、2度の雨に打たれたアイリッシュセッター。幸い内側に染み込むほどは濡れませんでしたが、それでもさすがに少し乾いた印象。
ということで、数ヶ月ぶりのメンテナンスをすることにしました。
「ブーツ」と聞いて思い浮かべるメーカーはいくつもあると思いますが、「Redwing」を外す人はいないでしょう。レッドウィングといえば「アイリッシュセッター」の愛称で知られるモックトゥブーツ。様々な時代を経て今も愛されるこのブーツをレ[…]
メンテナンス前のアイリッシュセッター
まずはお手入れ前の写真です。全体像は結構きれいに見えますが…
雨に濡れたヴァンプの部分の乾燥が気になります。
コードバンなら水分を気にしますが、オイルドレザーは雨に濡れてはいけないとは思っていません。個人的には丸洗いも肯定派です。ただ人間でも手を洗った後はカサカサするように、雨に濡れて乾いたレザーは油分が抜けてしまいます。油分がぬけると柔軟性が失われ、最悪の場合はクラックにつながります。つまり雨に濡れること自体が問題ではなく、その後のケアが問題だということですね。
そんなことにならないよう、今回はしっかりめにケアしていこうと思います。
準備
まずは靴紐をはずしてシューツリーを入れます。皺を伸ばして手入れしやすくなります。
馬毛ブラシでホコリ落とし。タンの部分にはホコリが溜まりやすいので念入りに。
クリーニング
汚れや古いオイル、クリームを除去します。使用するのはおなじみのM.モゥブレィ・ステインリムーバー。
ウェスに適量とって全体を軽く擦っていきます。写真を撮ろうとして変な姿勢になってますが・・・
しっかり汚れが落ちてます。
で、ここからがRamshiruba流。
使い古したタオルを少し熱めのお湯で絞り、軽く拭いていきます。
汚れたオイル分を蒸気で溶かして拭き取るイメージ。ただ濡れた状態のレザーは弱くなっているので強く擦り過ぎないよう注意が必要です。
お手入れの肝はクリーニングだと感じています。古いクリーム類を完全にクリアにすることが仕上がりに大きく影響してきます。
ついでにソールもゴシゴシ。ここは強く擦るべきですねw
で、完全にスッピンになりました。艶が無くマットな状態です。
オイル、クリームの塗布
まずは定番のこちらですね。M.モゥブレィ・デリケートクリーム。
適量を指にとって直接塗りこんでいきます。
栄養分の補給がメインですので、この時点では艶が出ません。
今回は油分もしっかり補給したいので、レクソル・レザーコンディショナーを。
こちらも指で直接塗っていきます。
10分ほど放置した後、豚毛でブラッシングしていきます。革をマッサージする感覚で少し強めに。
油分が補給されたレザーはふんわり、モチモチに仕上がっています。これで終了でもいいいんですが、個人的に少し艶感が有ったほうが好きなのでクリームを塗布します。
こちらも定番ですね。M.モゥブレイ・アニリンカーフクリーム。程よい艶感でオイルドレザーのワークブーツにはこればっかり使ってます。
厚塗りになり過ぎないよう、少量をチョンチョンと、塗布して指で塗り広げていきます。短時間放置したあと豚毛でブラッシング。余分なクリームの除去と細部までクリームを塗布するイメージ。
最後に仕上げ用の馬毛ブラシで軽く擦っていきます。薄い膜を作るイメージですね。
完成です。所要時間1時間くらい。もう少し放置時間を長くとってもいいかも。
ヴァンプも艶が復活しました。
メンテ後の全体像と着画
やっぱり靴紐を通すと締まりますね。汚れも落ちたのですっきりした表情です。
メンテ後のお楽しみ、試着タイム。履いた状態で馬毛でブラッシングしたり、歩いてみたり、鏡をみたり・・・で今回は写真も撮りました。
艶と皺のコントラストがお気に入り。モチッとしたオイルドレザーですがメンテ次第で艶もでます。「ゴールドラセット・セコイア・レザー」、やっぱり良い革ですね。今回は少し艶が出すぎた気もしますが、2,3日経てば落ち着いてきます。
まとめ
今回はRedwing9875のメンテを行いました。ワークブーツなのでもっとラフに履けばいいんでしょうが、メンテ自体が好きなので、いつもこんな感じになってしまいますw
早く経年変化を見たい気持ちも勿論ありますが、履きつぶしただけのエイジングには興味がわきません。しっかりケアして何年も経ったとき、きっと重厚で素敵なエイジングをみせてくれると信じて、ケアを続けようと思っています。
では、また!!