仕事柄、現場仕事に必須なのが安全靴。
最近はそういった出張作業へ行く機会はかなり減ってきましたが、それでも全くないわけではありません。
これまでは会社が準備した共有の安全靴を使用してきましたが、ブーツラバーとしてはそれ専用の、いわばリアルワークブーツを持っておくべきかと。
まぁ新しいブーツを買うために無理やり作った理由とも言えます笑
で購入したのがこちらのピストレロの6インチ、レースアップブーツ。
新たに仲間に加わったこのブーツをメンテしながら、ブランドやディティールの紹介などをツラツラと。
ゆったりとお付き合いいただければ。
PISTOLEROって?
ウエスタンブーツのメッカともいわれるメキシコに拠点を構える「ピストレロ」
メキシコは古くから靴づくりが盛んで、映画「リメンバー・ミー」の舞台となったことも記憶に新しいところですね。
1980年代にはアメリカの靴メーカーが、こぞって賃金の安いメキシコへ工場を移しました。
以来、伝統的な靴作りの精神と新しい技術が融合され、現在も多くの靴が生産される靴生産の一大拠点となっています。
そんな土壌の上に1993年に創業されたのが「ピストレロ」
しっかりとした造りとロープライスで、コストパフォーマンスの高い優良ブランドと評判です。
さて、実際のブーツを観察してみましょう。
アッパーに採用されているレザーは「ステアハイド」
同じ牛革でもカーフやキップと比べ、革質は荒く硬め。その分安価で流通しています。成牛の革なので厚みがあって丈夫。ワークブーツにはピッタリな素材かもしれません。
ただシワ感が少々安っぽいような。
レースステイの革がずれたまま縫製されています笑
このおおらかさ。う~ん、メキシカン!
血筋もそのまま。ドレスシューズではまず見られないワイルドな表情です。
反面、レースステイ部分は3本のステッチで縫い付けられているなど、手の込んだ部分も。ワークブーツらしいタフさがうかがえます。
こちらには大胆にトラ柄が。
高級靴では味わえないライブ感というか…これはこれでアジがあっていいですね。
バックステイも縫製は3本ステッチ。
履き口のパイピング処理もワークブーツの証です。
アウトソールはビブラム社のコルクソール。
同じようなコルクソールはチペワにもよく使われているいますが、同一のものではないかもしれません。
当然グッドイヤーウェルテッド製法。しっかりとした重量感があります。
内側にライニングの無い一枚革仕様。
馴染みやすいですし、ハードに履くワークブーツとしてはライニングの破れを気にしなくても良いので、大歓迎ですね。
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全体的に値段のわりに非常によくできている印象。
使用している素材は高級品とは程遠いですが、ワークブーツなのでネガティブな捉え方はしていません。
逆にワイルドな質感と、十分な革の厚みがあって、履きこむのをためらうような靴ではないのが気に入っています。
負荷がかかる部分にトリプルステッチを採用するなど、細かい配慮も素晴らしいです。
ただ、仕事の雑さも目立ちます笑
見た目よりも実用性重視な、これぞ海外製ワークブーツ!って感じでしょうか。
クリーニングとプレメンテを
今回手に入れたのは、予算の都合もあって中古品です。
試着程度のグッドコンディションなんですが、ご覧の通り薄っすらホコリが積もっています。
まずは馬毛ブラシでホコリ落としをしっかりと。
で使用するクリーナーはコチラ。
洗浄力強めのクリーナーですが、ステアハイドのこの中古ブーツにはピッタリかと。
ウエスに適量を染み込ませて拭きあげていきます。
で、お楽しみのクリーム塗布です。
今回もいつものM・モウブレイの青と赤を選びました。
オイルドレザーに自然なツヤを与えるのにはベストコンビだと思っています。
少し乾燥気味なので、まずはデリケートクリームをたっぷりと。
デリケートクリーム→アニリンカーフクリームの順番に塗り込んでいきます。
私はどちらも指で直接派。
あとは栄養分が少しでも浸透するように、汗をかくほど激しくブラッシング。
少し時間をおいて、ネル生地で拭きあげて…
完成です!
程よいツヤ感。いい仕上がりです。
丸みのあるフォルムでカジュアルな印象のこのブーツに、ワックスのようなツヤは似合いません。
後ろ姿も凛々しいです。
ソール、アッパーの色味もあってアイアンレンジに似てる気がします。
サイドから見ると意外と透明感のあるツヤが乗っています。
エイジングが進んだ時にトラ柄とシワがどんな雰囲気になっていくのか…ワクワクしますね。
サイズ感と・・・お楽しみの着画タイム!
私の足は実寸で 足長:257mm 足囲:253mm 足幅106mm。購入したのはUS9です。
普段US7.5~US8を履く私にとっては明らかなオーバーサイズ。
サイトの紹介文には確かにUS8と書かれていたんですが…まぁ安く買えたんでいいですけどね。
で早速足入れ。
…いや、明らかに大きいっす。どこがっていうよりもう全体的に。
ワンサイズ大きいので当たり前です。ということで厚めのインソールをセット。改めて
ジャン!
緩めではありますが、なんとか履けるぐらいのフィット感になりました。
真上から見るとトゥの丸さが際立ちますね。
正面から。
内部は相当余裕があるんですが、タンに癖がついていないのもあって羽根は開き気味です。
もう少ししっかりシューレースを締められるとフィット感も改善されるかも。
安全靴にするには少々もったいないと感じる後ろ姿です。
まとめ
エンジニアブーツ、ラインマンブーツ、ロガーブーツ…
安全靴候補はたくさんあったものの、今回は予算の問題もあってお手頃な中古を中心に探すことに。
ということで、激安ほぼ新品で手に入れられたピストレロですが、造りは本格的ですし、エイジングも期待できそうで大満足です。
ただ、ちょっとサイズが大きすぎるかな…
今後どんな履き方で、どんな変化をしていくのか。機会があればこのブログで報告します。それではまた。