今年もカレンダーは12月。それはまぁ忙しい師走です。
とはいえブーツライフは絶好調。ここ最近は毎日ブーツで過ごす、まさにブーツの季節。同時にこの時期は私の中で年に一回のフルメンテナンスの期間でもあります。
本日のお題はコチラ。
トリッカーズ、モールトン。色は焦げ茶のエスプレッソバーニッシュです。
個人的にはどこかキュートなイメージもあったカントリーブーツですが、この深い茶色にワークブーツとは一線を画す美しいシルエット。大人な雰囲気を感じています。
かなりのお気に入りで、購入から数年たった今でも休日用のよそ行きブーツとして活躍中。
ただその分履く機会は少なめ。エイジングは思ったほど進んでいませんが、このままあまりに放置しすぎるのも…
というわけで本日のフルメンテスタートです。
経年変化の確認とメンテの準備!
さて靴底を綺麗にして自室へ運び込んだトリッカーズ。
前回メンテしたのは…
ん?
どうも去年はメンテしていないようで…実に2年ぶりですね。これはしっかりリセットしてあげないと。
気を使って履いているのもありますが、まだまだ綺麗な横顔。シャフト部分の横シワがたまらんです。
トゥの周りが古いクリームでゴワゴワに見えます。厚く塗りすぎていたかもしれません。
真上から見てもヴァンプの履き皴はまだ薄っすらといった感じ。
硬質な美しい艶感。個人的にはこのツヤにはエスプレッソの色味が一番合うと思っています。
履かない期間でも定期的にブラッシングは行っていますが、普段では届かないところも靴紐を解いたタイミングでしっかりと。
さて準備完了です。
クリーニングはしっかりと固形+液状クリーナーで!
今回使用するクリーナーはこの2つ。
「Bootblack ハイシャインクリーナー」
「M・モウブレイ ステインリムーバー」
前回のメンテには油性の靴クリームを厚めに塗った記憶。ただ鏡面磨きはしていないので、ハイシャインクリーナーは軽く拭う程度にしておきます。そのあとステインリムーバーで綺麗にする作戦。
まずはハイシャインクリーナーから。適量を布にとって拭きあげていきます。つま先周りと踵を中心に、前回厚くクリームが乗っている部分だけにしておきました。
そのあとはステインリムーバーで全体を。
思っていたより布に色が移っていく量が多くてちょっと色落ちが心配になります。なんか前回のクリーニングとは手応えが違う感じ。前回は革のコーティングが厚く感じてサラッと終わった気がしたんですが。
めちゃくちゃマットになりました。…こんなんでしたっけ?無事にツヤが戻るのか、少し不安になってきました。
たっぷり栄養補給を!
さて今回のメインイベント。栄養分の補給はもちろんコチラ。
「M・モウブレイ デリケートクリーム」
入れすぎると革がフニャフニャになってしまう可能性もありますが、基本的には色味の変化も起こりにくい安心のデリケートクリーム。
実はトリッカーズ購入当初、あまりにも足が痛すぎてストレッチを試したこともありました。
その時に頼ったのもこのデリケートクリーム。靴の内側にもたっぷり塗って大き目のシューツリーを入れて数日放置。結果、足入れも問題なく…とはなりませんでしたけどね笑
なんだかんだ苦労して履き慣らした思い出がよみがえります。
指で直接塗りこみます。今回は2年ぶりという事もあってかなりたっぷりと。
以前はデリケートクリームすら弾いたような記憶があるんですが、今回はグングン吸ってくれます。さすがに乾燥していたのかもしれませんね。
ほとんど間を置かずに豚毛ブラシでブラッシング。クリームの浸透を助けるように熱を帯びるぐらいガッツリと。
ロウが含まれていないデリケートクリームですが、この時点ですでにツヤが出てきてホッとしました。栄養補給もバッチリです。
仕上げは・・・
今回の仕上げに選んだのはコチラのクリーム。
「サフィール クレム1925 ダークブラウン」
油性クリームらしいギラっとしたツヤが最大の魅力です。
このブーツを買ったときに同時に購入したクリーム。やっぱり硬質なツヤを維持するのにクレムは最適です。
パーフォレーションの部分はペネトレイトブラシも使いましたが、基本こちらも指で直接塗っていきます。
化繊ブラシで塗り広げるのと同時に内部まで浸透する様にブラッシング、ブラッシング、ブラッシング!どんどん輝きはじめる楽しい瞬間です。
でそのまま少し時間を置きます。
1時間くらい経ったでしょうか。浸透しきらなかったクリームはネル生地のウエスで拭き取っていくと、更にツヤが増していきます。靴紐を通して…
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ジャン!完成!
前回はクリームをブラシで馴染ませて終わっていたのでゴテゴテしたツヤでしたが、ウエスで拭きあげた今回はかなり自然に仕上がった印象です。
とはいえ硬質な艶は健在。…これには素直にホッとしています笑
バックショットでは色味の濃淡が少しだけ感じられます。退色が大きいと言われるトリッカーズ。カラーレスのクリームを使って色の濃淡を楽しむ、というエイジングもアリですね。
トゥにも自然なツヤが戻っています。いやぁ良い色です。
恒例。ニヤニヤしながらの着画タイム
メンテナンスの記録はやっぱり履いて撮らないと。
というわけで恒例の着画タイムです。
まずは座った状態でブーツにフォーカス。
フルブローグの華やかさに艶やかなアッパー、深いブラウン。やっぱり色気たっぷりのブーツだと思います。
シャフトのシワ。オイルドレザー系とは違う「ぱきっ」とした感じ。これはこれでカッコいいんですよね。ゴワゴワしていたトゥ側面も綺麗になりました。
ほとんど閉じてしまいそうな羽根ですがそれもドレッシーな雰囲気があります。更にしっかりと張り出したコバ、丸みのあるトゥが無骨な印象をプラス。このバランス…やっぱり最高です。
まとめ
久々のトリッカーズフルメンテでしたが、これで革も気分もスッキリです。
馴染んだとはいえ、いまだにブーツソックスでは履けないぐらいのキツさ(トリッカーズのブーツは少し寸が短いような…)もあって、現状は薄めの靴下を履ける休日専用となっています。
真面目にメンテすれば10年以上履けるともいわれるタフさ。もっと出番を増やしてもいいかもしれませんね。うん、今年は意識的に履く機会を作っていきます。さらに履きやすくなる期待も・・・。
それではまた。
1829年創業、190年以上の歴史を誇るイギリスの老舗トリッカーズ。靴の聖地ノーサンプトンに工場を構え、1人の職人が製作工程の最初から最後までを担当する「ベンチメイド」という手法でで製作されている・・・と聞いていたんですが、[…]