「鋼のように頑強なソールとアッパー。シルクのような柔らかな履き心地」
「1000マイル歩いても壊れない。疲れない」
ブーツ好きには超有名なこのキャッチフレーズは、通称センマイとも呼ばれるWolverine 1000mile bootの特長を現したキャッチフレーズです。
いや~、このコピーに心踊らない男子はいないでしょう。私が初めて手に入れた本格ブーツで、今も大のお気に入り。
このブーツの魅力は何なのか、弱点は?
8年ほど履いている私物の変化を中心に、Wolverine 1000mile bootを紹介いたします。
出典:wolverine.com
Wolverine社と1000マイルブーツ
Wolverine社の歴史は古く1883年、アメリカ合衆国ミシガン州ロックフォードで設立。創業約140年の超老舗です。
1990年代のアメカジブームにより日本でも知られるようになったものの、Redwingに比べるとやや知名度は低めかもしれません。逆に、ちょっと通っぽいところが所有欲を満たしてくれるかも笑
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靴底に特殊な材料や構造を組み込むことで、足への衝撃を吸収する能力を高めた独自の製法「DuraShocks」を開発するなど、ワークブーツメーカーとして様々なブーツを販売しているWolverine社ですが、何と言ってもブランドの顔がこの「1000mile boot」です。
1914年代に発表したオリジナルを忠実に再現したとされる、6inchハイトのレースアップブーツ。
ブランドのアイコンとして100年以上たった今も世界中で愛されている傑作ブーツです。
1000マイルブーツの2つの特長
1.泣く子も黙る”クロムエクセルレザー”
アッパーにはあのHorween社のクロムエクセルレザーが使用されています。
Horween社といえば1905年創業のアメリカが誇る老舗タンナー。同社の製品群で、馬革を使用した「シェルコードバン」と並ぶ代表作が「クロムエクセルレザー」です。
100年前には確立されたとされる手法で、ステアハイドの原皮をコンビなめしという方法でさまざまな油脂を浸透させた、美しく、耐久性のあるオイルドレザーの一種。
かなりオイリーな革ですが磨けば重厚感のある独特な光沢がでます。
小傷なんかはブラッシングで結構キレイになりますし、なんといってもその経年変化は最大の魅力。
プルアップレザーともいわれるオイル分を多く含んだ革ですので、シワや圧力がかかる部分に色の濃淡が出て、それが味になっていきます(実際の経年変化はこの後詳しく見ていきます)
とにかくホワイツやオールデンにも採用されることでも知られるクロムエクセルが、このお値段で手に入るのはかなりお得かと。
2.シングルレザーソールの軽さと履き心地…弱点も
「シルクのような履き心地」を実現するのがこのシングルレザーソール。
足への馴染みが早く重量が軽いため、一般的には歩き心地が良い靴が多いと言われます。
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ホワイツのような激重ブーツの後に履くとその返りの良さに驚かされます。シルクのような履き心地というキャッチコピーにも納得。
また1枚の革でアウトソールが作られているため、すっきりとしたスマートな印象でクラシックドレス的な魅力があります。
そんなシングルレザーソールですが、ワークブーツに採用されているケースはかなり稀。
その理由は耐久性にあります。
海外のレビューでも批判的な声を多く見かけるように、そもそもコンクリートの上をガンガン歩くようなソールではないんですよね。1年ほどで交換時期を迎える…なんて話まであります。
なので、私は履き下ろしの際にラバーを半張りしました。
ラバーが削れれば2000円ほどで貼り直しも可能ですし。
実はシングルレザーソールって雨の日はツルツル滑るんですよね。安全を考えても半張りオススメです。
ヒールにはレザーが1段積み上げられて更にドレッシーなビジュアルに。
バックショットで見ると良く分かります。
醸し出すドレスブーツの香りとワークブーツの屈強感。このバランスが1000マイルブーツ最大の魅力なのは間違いありません。
その他のディティール
内部は内張りが無く一枚の革で仕立てられた「アンラインド」。ワークブーツらしい粗野なイメージですが、馴染みやすいというメリットもあります。
ハトメ上部の3箇所はスピードフック仕様になっており、楽に着脱できます。
印字された『Horween』の文字。テンション上がります笑
純正の靴紐は長めの平紐。
ただちょっと長すぎるのと、もう少し細くしてドレス感をあげたかったので紗乃織靴紐のロー引き平紐へ交換済み。
革の種類やカラー。使用されるラストのシルエット。アウトソールの素材、形…靴の印象は様々な要素の組み合わせで大きく変わってきます。「履き心地は良いけどもう少しドレッシーな方が好み…」とか、逆に「カッコイイんだけどフォーマル過ぎて合わせ[…]
1000マイルブーツの経年変化
まずは現在の私物写真です。
プレーントゥの広いヴァンプに寄った皺の波がお気に入り。色も濃淡が出てきています。
比較的エイジングを感じやすいのもクロムエクセルを使った1000マイルブーツの特長。で、その変化は胸を張ってオススメできるカッコ良さ。
ただ弱点も。
…
縫製ほつれとるがな…
とまぁ縫製だけではなく、シングルのレザーソールを採用するなど、堅牢な造りとはいえないある種の弱さを含んでいるように感じています。
本気のワークブーツとしてばりばり現場で履くような使い方には耐えられないかも。
とはいえ、底付けは当然グッドイヤーウェルテッド製法でソール交換も可能。普通の街履きには十分な強度は持ってますし、このまま普段履きとして長く付き合っていくつもり。
エイジングの様子は当ブログでもご報告していきます。
どんな経年変化を見せてくれるのか、まだまだ楽しみです。
ウルヴァリン1000マイルのサイズ感
私の足は実測で、足長:257mm 足囲:253mm 足幅106mm。
こちらのブーツはUS7.5/Dでジャスト。レッドウィングの#8ラストより余裕がある印象です。EワイズとDワイズの間ぐらいのイメージ。
木型の差というよりアッパーの柔らかさのおかげなのかもしれません。
シルクのような履き心地…なるほど、そういっても良いかもしれません。
足を通した瞬間のぐっと締まった感覚が、歩いているうちに溶けるように馴染んでいくのが気持ち良いんですよね。
この独特な履き心地は他では味わえません。私がお気に入りを公言する理由の一つでもあります。
まとめ
弱点も多少ありますが、それも含めて魅力十分なブーツ。ゴツ過ぎて「いかにも」なブーツは苦手だけど、本格的なクオリティを体験したい、そんな方には超絶オススメです。履きやすくお値段も控え目なので、初めてのブーツにもピッタリかも。
迫力のある経年変化、ドレスにもワークにもはまるビジュアル。
この先も長く付き合っていきたいと思っています!
最後に着画を・・・それではまた。
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