暖かい日が多くなってきました。季節はすでに春から初夏に移ろうとしています。こんな時期にブーツを手入れするのはどうかとも思いますが、外出の自粛が続く毎日。暇には勝てません笑
今回のターゲットはレッドウィング8111、アイアンレンジです。採用されている革はアンバーハーネスレザー。油分を多く含むオイルドレザーの一種ですね。
前回のメンテは去年の末なので、約5ヶ月ぶりのお手入れです。
メンテ前の状態
休日用としては出番が多いブーツなんですが、それでも月に2回~3回ほど。こういう履き方だとなかなかエイジングは進みませんね。ただ履かなくても油分は少しづつ抜けているようです。遠目でみるとそこそこ艶もあって問題無さそうに見えますが・・・
近くに寄ってみると、ヴァンプの皺周辺なんかは少しカラッとしている印象。
写真では分かりにくいですが、右足の外側の革も同じような乾燥具合。すぐに処置が必要な状態ではありませんが、過保護主義の私としては良いタイミングだと思います。
クリーニング
どんなブーツもクリーニングが一番大切な工程です。汚れを落とす事でクリーム類の入りも、革自体の発色も良くなります。
まずはシューレースを解いて馬毛ブラシでホコリ落としです。
タンの付け根にはホコリが溜まりやすいので要注意。普段のブラッシングでは届かない箇所なので念入りに。
次はおなじみの「M・モウブレイ ステインリムーバー」
ウエスに適量とって、ブーツを撫でるように軽く擦り、前回メンテ時のクリームの残滓を拭きとっていきます。オイルドレザーらしく所々に油分が固着した黒い汚れがありますが、それもこの工程で多少は薄くできます。
仕上げはタオル拭き。お湯で濡らしたタオルを固く絞って拭きあげます。濡れた状態のレザーは弱くなっていますので、あまり力を入れ過ぎるとボロボロと表面が剥がれ落ちる事もあるので注意ですね。
晴れてスッピンとなったアイアンレンジ。タンについていた黒い汚れも薄くなっています。
実は以前、履いたままホースで水をぶっ掛け、洗剤を付けたスポンジでガシガシ洗う海外の動画を見たことがありまして・・・それ以来、私も多少ラフに扱えるようになりました。さすがの頑強さです。
クリームの塗布
まずは栄養分の補給「M・モウブレイ デリケートクリーム」です。定番中の定番で、私もメンテの際はほぼ使用しています。水分の含有量が多くスッと浸透していきます。メイクの前の化粧水のイメージですね。直接指でとって塗っていきます。
豚毛ブラシで軽めにブラッシング。全体に染み渡るようにマッサージするような感覚です。この時点では艶は無くマットな質感です。
メインの靴クリームは「コロニル1909シュプリームデラックス」にしました。このクリーム、オールデンのコードバン用にと購入しましたが、コードバンに浸透していく感じが無く戦力外に。おそらく本来の実力が発揮できていなかったと思われるので、牛革の今回はリベンジのチャンスです。
プリンのようなクリームに直接指を突っ込んで、アイアンレンジへと塗り込んでいきますが・・・
ものすごい浸透力。塗ったそばからグングン吸い込まれていきます。いつも使用しているアニリンカーフクリームは指で伸ばすイメージで塗っていましたが、これは全く別物。浸透力はデリケートクリーム並み。
怖っ。
これ大丈夫でしょうか?
怖っ。
塗り終わったあと、豚毛ブラシで全体的にブラッシングしました。
・・・ん?
すでに艶感が。
とりあえずいつも通り、一時間ほど放置してクリームが浸透するのを待ちます。まぁ今回は必要無さそうですが、念のため。
で一時間後、馬毛ブラシで仕上げてシューレースをつけた状態がこちら。
この艶っ!
アニリンカーフクリームで仕上げたときと比べると圧倒的です。同じ乳化性クリームでここまで差があるとは驚きです。手触りもサラッとしていて大満足の仕上がり。あとはこの状態がどれくらい持つのかですね。
ヴァンプもしっとりサラッと。栄養分がしっかり補給できたと感じられます。
側面も満足のいく仕上がり。多少色味が濃くなったような気がしますが許容範囲。もう少し時間を置けば馴染むかもしれませんね。
早速試着タイム。色味もほとんど変わっていませんし、艶もしっかり有りながら油性クリームのようにギラギラしていない感じ。納得の出来栄え。
まとめ
普段は梅雨前のこの時期にブーツをメンテすることは無いんですが、ステイホームが叫ばれる昨今、家で出来る楽しい事を考えるとどうしても靴のお手入れに。今回ブーツに入れた油分がカビの栄養分にならないように気をつけなければいけませんね。
いつもと違うクリームでケアしてみるのも楽しいです。コロニル1909シュプリームデラックスは汎用性も高いですし、ハマリそうな予感がします。ただ他にも評判の良いクリームはたくさんありますので試してみたい気持ちも・・・・
最後は着画です。ではまた。