ドレス系ブーツを手に入れたら、ワーク系も欲しくなる病を発症してまして。
海外在住のブーツラバーが親子で履いておられたり、コメントでオススメされた事もあって、購入リスト圏外から一気にトップに立ったのがBlundstoneでした。
はい。
買っちゃいました。
私が手に入れたのは「BS550」
少しだけお高いCLASSICSという上位ラインのものです。
やっぱり新品のブーツはテンションが上がりますね~。
ガシガシ履き始める前に、このブーツの魅力や他シリーズとの違いを徹底分析、後半にはサイズ感や着画も紹介していきます。
最後までお付き合いいただければ。
オーストラリアの雄!ブランドストーンの歴史
オーストラリアで1870年創業という恐ろしく長い歴史をもつこのブランド。
これまで紆余曲折あったようですが、間違いなく転換点になったのが1960年代に発表された「ORIGINALS」シリーズの誕生でしょう。高い耐水性を備えた、晴雨兼用の堅牢なサイドゴアブーツ。
当時大ヒットしたこのブーツは現代もブランドのアイコンとして販売されており、日本の公式サイトでは、他のラインナップもほぼ派生モデルで占められています。
引用:https://www.gearpatrol.com/
同じくアイリッシュセッターの爆発的ヒットでブランド価値を高めたRedwingが、様々なスタイルのブーツを発表するのとは対照的に、堅牢なサイドゴアブーツに特化したブランド戦略を持っているようです。
ただ公式HP内で「サイドゴアブーツの元祖」と記載されていますが…
サイドゴアブーツの起源は英ヴィクトリア女王で、1830年代には形になっていたはず。謎っ笑
ブランドストーンのシリーズ展開
ブランドストーンにはいくつかのシリーズがあって、少しずつ特長が違っています。代表的なものを比較してみます。
ORIGINALS
最も価格が抑えられたコスパの良いモデル。
アッパーは耐水性を高めるため油性仕上げを施したレザー、前後に付いたプルストラップ、インジェクション製法で取り付けられたTPU素材のアウトソールなど、ブランドストーンの基本形として必要なものはすべて装備されています。
CLASSICS
見た目はほぼ同じ上位モデル。
レザーライナーを採用し肌触りと堅牢性を向上しています。またアッパーの縫製のほとんどがダブルステッチとなりさらに強度を増していたり、オリジナルでは靴のかかと部分に採用されているクッション素材XRDが、インソールにも装備されているなど、細かいながらも確実にワンランク上のブーツに仕上がっています。
オリジナルと比べて少しトゥに厚みがあるシルエットらしいですが、お店で見てもほぼ違いが分かりませんでした笑
ALL-TERRAIN
「全地形対応」との名前が示す通り、更にアウトドアでの対応力を強化したモデル。私が最後まで迷ったモデルでもあります。
最大の特長はVibram社と共同開発されたソールユニット。溝のつけ方で泥落ちをよくするような工夫があったりしますが、何と言っても素材がラバーに変わることで加水分解に怯える事が無くなるのが最大のメリットでしょう。
ただミッドソールはポリウレタンですし、基本的にはソール交換のできないインジェクション製法での底付け。価格もこの中で最も高いということで、今回はスルーすることにしました。
その他
ラインナップには他にスクエアトゥが特長的な「DRESS」やソールに溝の深いラグソールを採用しカジュアルな雰囲気の「LUG BOOT」など、すべてサイドゴアブーツで各シリーズが展開されています。
私がBS550に決めた理由は…
トゥが丸くくびれの無い、何となく可愛らしいフォルムのBS550。カラーはウォルナットです。
サイドゴアはすでにDr.マーチンのものが黒なので、今回は茶系で選ぶつもりでした。比較対象にしたのはオリジナルズラインBS500。
ただ同じブラウンでもBS500の茶はほぼ黒と言ってもいいぐらいで、並べるとその違いは明白でした。
実は私がクラシックスラインのBS550を選んだのはディティール云々ではなく、このカラーなんですよね。
決め手になったのはゾゾタウンで見つけたBS550のエイジング写真。
引用:https://zozo.jp/
いやぁ…
ヤバいです!!
これを見たら他のモデルに目移りするなんてできない相談です。
私の履き方で同じように変化してくれるかは不透明ですが、何とかエイジングさせてみたいですね。
BS550のディティールと感想
茶色のアッパーに1段明るい茶色のゴム。縫製する糸はオレンジに近い茶と、部分ごとに色度の違いがあってカジュアルな印象を受けます。
前後についたプルストラップで履き脱ぎは確実にしやすくなるはずですが、ここに頼り過ぎると千切れてしまいそうで…
CLASSICSの特長である、ダブルステッチの縫製、レザーライナーも確認できます。
問題のTPU素材のアウトソールです。
加工や着色がしやすく、最近ではスマホケースにもよく使われている素材として耳にする機会も増えました。
が…
加水分解が起こります。
ポリウレタンと水分が反応して分解される加水分解は、環境や使用条件によって進行状態は変わりますが、ブーツのソールとして使用するなら避けて通れないでしょうね。
他のブーツ達と違い、2~3年が勝負でしょう。集中的に履き込んでエイジングを完成させる必要がありそうです。
ただ、特性としてはゴムのような弾力性とプラスチックのような強さを併せ持つ理想的な素材です。本当はリアルワークで現場仕事なんかで使用できれば最高なんでしょうが、今の私はほぼデスクワークです。さて、どうしたものか…
クッション性の高いファブリックインソール。Blundstoneのロゴがカッコ良いです。
底付けはインジェクション製法です。
型に樹脂を流し込んでソールの成型とアッパーとの接着を同時に行うこの製法。接着剤も縫製も必要ありません。アディダスのスーパースターも同じ製法で作られているように、どちらかと言えば生産性の高いハイテクな印象です。
メリットはアッパーとソールが一体化しているため雨水の侵入をシャットアウトできること。
デメリットは一般的な方法でソール交換ができないこと。
…やはり何年もかけて変化を楽しむより、履きつぶす感覚でいた方が楽しめそうです。
レザーの質感
公式ホームページでも「なめし加工時に撥水仕上げを施したレザー」とされているアッパー。
巷では大雨以外なら全然いけると評判です。
どんな加工がされているのか分かりませんが、奥の方に少しだけ革の表情が見えますね。完全に樹脂で覆っているガラスレザー系とは違い、エイジングも期待できます。
とはいえ手触りはかなりザラザラしていて、もはや本革かどうかも疑わしいレベル。いや本革は間違いないんですが。
ジャランスリワヤのサイドゴアと並べてみました。
色の濃淡に加え、透明感すら感じる艶はさすがデュプイレザーという革質です。メリハリのある木型で靴単体のカッコ良さ、セクシーさすら感じます。
比べると、BS550の圧倒的のっぺり感…笑
ただブランドストーンの魅力はそういう美しさとは対極に位置しています。ワークライフの中で輝きを増すプロダクト。
そもそも革質がどうこう言うようなブーツではなく、タフにラフに履き込んでナンボで、傷やハゲ、履きシワがついて完成されるのがワークブーツであり、ブランドストーンのカッコ良さです。
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