少しは夏の暑さが収まってきたように感じる9月某日。
ぶ、
ぶ・・・
ブーツのお手入れをしないと!!
毎年この時期に私の中で沸き起こる謎の焦燥感。
ぼやぼやしているとあっという間に10月になっちゃいますし、10月と言えばもうブーツシーズン真っ盛りですから。
で、今回はこれ。
ホワイツのバウンティハンター。
泣く子も黙るワークブーツ界の王様。
Redwing軍団と比べると出番数は控え目ですが、真夏でも履きたい(実際2回ぐらい履いきました笑)ってぐらいに大好きなヤツです。
約2年半ぶりのフルメンテ。エイジングの現在地もしっかりチェックしていきます。
知らぬ間に進行していた・・・恐怖のレースステイ裏
今シーズンのメンテ1号にwhite’sを選んだのは、最近表面が乾いたように感じていたから。
ね?
なんかザラッとしてる気がしないでもない・・・って、何年たってもフルメンテを決行する時期の確信は持てないんですよね~笑
まぁ、前回のメンテは2年以上も前ですし、そろそろちゃんとお手入れしてあげないと、って感じです。
さて、ササっと靴紐を外し、馬毛でホコリ落としから。
・・・
んっ!?
え…
緑青!
きったねー!!!
ハトメの裏にびっしり緑青がついて、タンにも色が移りかけています。
購入時も同じような感じでしたが、革が乾いてるうんぬん言う前にまずここを何とかしないと。
表面にもしっかり付着してますね。紐を通しっぱなしなので気づくのが遅れました。
真鍮製ハトメの錆であるこの緑。
頻繁に履く靴なら発生しにくいんですが、思えば真夏はほぼ靴箱の番人になっていましたからね~。
アッパーにキズを付けないように、つまようじを使ってセコセコ掘り出していきます。
裏面は菊座になっているので更に歯ブラシを使って掻き出して・・・
仕上げはステインリムーバー付きのウエスでハトメを磨くイメージ。
写真右側がお手入れ完了です。かなり綺麗になりました。
ただ、片足だけで約30分。
・・・これ地味な作業のクセにメチャクチャ時間かかるんですよ。
最後の方は気力との勝負。1時間以上かけてようやく完了。はーしんど。
ふっくら艶肌をめざして
さてさて、ようやく通常のメンテ工程に辿りつきました。
小傷はあるものの、クリームも塗っていないのにこのツヤ。
油分が抜けて革が突っ張っている感じなく、ちゃんと弾力もあって…まぁ、革のポテンシャルなんでしょうね。
状態は良さそうなんでクリーナーは軽めに。
「Mモウブレイ / ステインリムーバー」
ウエスに適量を染み込ませて軽く拭きあげていきます。
トゥの小傷もこの時点でほぼ見えなくなりました。
さて、久しぶりの栄養補給は…
「Mモウブレイ / デリケートクリーム」
「Lexsol / レザーコンディショナー」
超定番のデリケートクリームと、色の変化が少なくサラッとした液状オイルのレザーコンディショナーのコンビです。
まずはデリケートクリームから。
指で直接塗布していきます。
放置期間が長かったせいか、ものすごく吸い込むホワイツとちょっとビビる私。
結局全体を2周するぐらいたっぷりと入れました。カチカチよりは良いでしょう。クラックを起こさないためにも革の柔軟性は大事ですから。
軽くブラッシングした後は薄くレザーコンディショナーを入れて…
豚毛ブラシでマッサージする様に押し込みます。
てかこれもグングン吸い込んでました。
ナニコレ、コワイ。
・・・
うん。
ちょっと濃くなりましたよね…
まぁオイルを入れた瞬間からそんな気はしていました。
数時間放置して馴染むのを待ちます。色味も落ち着いてくれればいいんですが。
仕上げにツヤをプラス!
そのまま丸一日放置していました。
なんか…
イモっぽい。
色味は多少落ち着いた気がしますが、なんというか…田舎の野球少年のような純朴さを感じる、垢抜けない感じ。
これはこれでアジがあっていいんですが、やっぱり私的にはもう少し艶が欲しいところ。
「Mモウブレイ / アニリンカーフクリーム」
オイルドレザーに嫌味の無いツヤ感をプラスするならコレ一択。
色の変化も少なく、自然な艶に仕上がります。
指の体温で溶かすように塗り広げます。
もう十分に油分は足りているはずなので、とにかく薄塗りを意識しています。
豚毛ブラシでしっかりブラッシングして、
浸透しきらなかった余分なクリームはネル生地のウエスで拭き取っていきます。
この時点で良い感じに光ってきて勝利を確信する私。
最後に馬毛ブラシで整えていきます。
明らかに光り方が変わって、後ろ姿からも色気が滲み出てきました。
あの純朴野球少年がすっかりシティボーイになりましたね。
で・・・
・
・
フルメンテ完了!
まるでマリリン・モンローのようなボリューム感とメリハリのあるボディー。
少し艶がある方がこのブーツには合うと思っています。
張り出したコバにダブルステッチ。ホワイツのワークブーツ魂を感じます。
トゥの小傷は完全になくなっていますし、全体的に綺麗になりました。
それより何より、緑青が除去できたのが気持ち良いですね。履き込み再開に向けてテンションが上がってきました!
お楽しみの着画タイム!
メンテ後(私の)お楽しみ、着画の撮影会。
ハイトは 6インチなんですがレッドウィングのベックマンより少し高く、7インチと言ってもいいぐらい。この高さが絶妙。
ハード過ぎない、程よいラギッド感を生んでます。
足元だけ男前モード。
プルアップレザーなのでくるぶしが当たる部分はオイルが逃げて色が薄く見えます。この濃淡がまたカッコ良いんですよね。
「ザ・ワークブーツ」の魅力。
セミドレスラストのおかげか、ドレッシーな雰囲気も纏うバウンティハンター。
この「ドレスとワークの融合」がやっぱりカッコ良いんですよ。
まだまだ軽く履きシワが定着したぐらいなんですが、それでも革の凹凸、艶感、シルエットの迫力…ここからさらに成長することを思うと…
やはり王様のエイジングはケタが違います。
まとめ
こまめにブラッシングしているとはいえ、さすがにノーメンテ期間2年半は長すぎました笑
今回のメンテでアッパーは明らかにシットリしましたし、これで安心して履き込めそうです。エイジングも加速させたいですし、今冬はもっともっと出番を増やしていきたいですね。
最後は脱いでもカッコ良いバウンティハンターを。
それではまた。