最初に染め替えを決意したのが昨年の10月。
2回の染め替えを強行したものの、納得のいく「黒」が出せずに、諦めて焦げ茶の靴として付き合おうとしていた「シェットランドフォックス アバディーン」
そんなときSAPHIR(サフィール)から発売されている染料「ダイフレンチリキッド」に、新色「ディープブラック」が登場したとの情報が!!!
より濃く、深みのある黒を表現したいなら 100.ディープブラックがお勧めです!
引用:https://store.shoeslife.jp/
ふむふむ。
なるほど。
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はい、買っちゃいました!
ということで、染色3回目の強行が決定。ついに理想の黒にたどり着けるのか、革へのダメージはどうなるか…最後までお付き合いいただければ。
まずは通常のクリーニングから
購入したサフィールの「ダイフレンチリキッド」、前回使用した「スピラン」、どちらもアルコール染料です。
発色が良く、乾燥時間が短いため重ね塗りの効率が良い、という同じような特徴を持つ両者ですが、価格は大きく異なっておりまして。
定番のスピランが600円程度なのに対し、ダイフレンチリキッドは2420円、約6倍。
この価格差、それだけの性能を期待していいんでしょうか。
さて、日光に当たらない場所だと黒にしか見えない愛靴。
黒の靴クリームとワックスをしっかり塗り込んだこの状態でも、外に出ると茶色みが出てくるのが不思議です。
とりあえず・・・
ワックス落とし用の「ハイシャインクリーナー」と通常のクリーナーを使って革の表面をすっぴんに戻します。
これはこの後のアセトンでの脱脂を、スムーズに進めるための前準備。
適当にやり過ぎてアセトンで擦る時間が増えてしまえば、革へのダメージは甚大ですから。
脱脂から染色!「ディープブラック」の実力は…
ベランダに移動しました。
準備したのはいつもの「アセトン」と100均で買った「メラミンスポンジ」。
いつもは布にアセトンを染み込ませて擦った後の、仕上げ用に使っていたメラミンスポンジ。
アセトンの残量が少ない今回は時間短縮のため、最初からメラミンスポンジ投入です。
まぁ何回も染め替えをやり過ぎて緊張感が無くなってきている気もしますが笑
この判断が吉と出るか凶と出るか…
いつものように脱脂中の写真はありませんので、音声でお楽しみください
ポコッ(アセトンの缶を開ける私)
・・・ちゃぽ(メラミンスポンジを浸す私)
シャカシャカシャカ(靴を持ち上げて擦る私)
・・・ちゃぽ(メラミンスポンジを浸す私)
シャカシャカシャカ(靴を持ち上げて擦る私)
20分後。
でん!!
おぉ、前回下地に塗ったローバスバチックのネイビーがしっかり残ってます。ローバスバチックって水溶性なんですよね…アセトンでは落とせないのか、意外な発見。
いよいよ染色も本番です。
箱の中に丸いスポンジが付属していたのでこれで塗っていきましょう。
頼むぜ、ダイフレンチリキッド!!
これまでの筆塗りより垂れにくく、塗りやすい気がします。
当然写真は撮れないのでイメージ画像を。
こんな感じ。
今回はコバも含めて真っ黒にしたいのでマスキングもしていませんが、ウェルト部分に染料が溜まらないように基本はソールを上にした状態で塗っています。
左足を塗り終えたら右足。
右足を塗り終えたら2週目の左足。
そうやって、4周ぐらいしたでしょうか。
・・・実はこの時すでに重大なミスを犯していたんですが、この時の私は知る由もありません。
ジャン!!
うん。ちょっとやり過ぎたかも。
まぁ今は厚く塗り過ぎたところがヌルヌルと光って見えますが、乾いている部分は青みを感じるような黒。これは良い感じ!!
数時間放置して、乾いたら理想の黒になりそうです。
楽しい仕上げの時間・・・にはならず
完全に乾いたのを確認して室内にもちこみました。
いやぁ~、ムラムラですね笑
前回スピランで塗った時もこんな感じになったので精神的には全くのノーダメージ。チャチャっと「デリケートクリーム」を入れると戻るはず。
どぉりゃあぁぁ~
・
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ほら、クリームをグングン吸って全体の色ムラが…
え?
ちょ。
まじで??
・
消えへんのか~いっ!!!
スピランで塗った前回も、前々回もこの段階で綺麗になったのに…
あぁ。
これは完全にやっちまいました。
かかと部分も相当ひどい仕上がりです泣
これはもう黒の深みがどうとか言うレベルではなくなってきました。
履けるか履けないか、いやもはや「靴かゴミか」、そんな気持ちにすらなってきます。
反省から逆転の一手を・・・
革に限らず、染色の基本は「薄く、何回も重ねて」塗ること。
いつの間にか一番大切な基本を忘れてしまっていたようです。
黒への染め替えということで「とにかく塗りまくればいいか」と安易に構えていた部分もありますし、これは慢心が招いた結果。大いに反省中です。
この後、さまざまなクリーナーを試して足掻いてみるも、どれも効果無し。
もう一度アセトンでの脱色も考えましたが、すでにダメージが蓄積されて、硬くなった革は、もはやクラックを心配するレベル。手持ちのアセトンの残量もほぼ0ですし、これも無理。
万策尽き果てました・・・
いや。
最後にに試したい手が一つだけ。
それは…
まとめ
と、今週はここまでです。
現状、失敗濃厚な3回目の染色ですが、秘策を胸にほくそ笑む私。これが逆転の一手となるか、このままこの靴とはお別れになってしまうのか…
その様子は次週公開予定です。ぜひそちらもご覧いただければ。
最後に一言。
「染色は、薄く、重ねる」
基本は大事。
それではまた。