本物の黒ストレートチップへと変身させるため、3回目の染め替えを強行した前回のエントリー。
その結果・・・
このとんでもない色ムラが発生して、ついに追い込まれた私。
もはやクリーナーではどうすることもできず、再度染め替えられるほど革の状態も良くありません。
正直、諦めて買い直すことも頭をよぎります。
ただ、私には秘策があります。
見事復活となるか、このままゴミ箱行きか、最後までその目でご確認いただければ。
前回のエントリーはコチラ↓
消えないシミ、原因は??
これまで何度も染め替えはやってきましたが、色ムラはほぼデリケートクリームで解消できていたんですよね。
↑前回のデリケートクリーム投入前後の写真
それが何故、今回だけはこんな状況になってしまったのか。
①染料の違い
同じアルコール染料ですが、前回までのスピランと今回使用したダイフレンチリキッドでは、やはり違いがあるのかもしれません。
スーパーブラックというカラー名からも中身が「濃い」イメージが湧きます。
ただ、塗っている工程では濃度の違いはほぼ感じられなかったですし、そもそもこれが原因だったらもうお手上げ。
とりあえず考えないようにしましょう。
②油分の不足
染色直後のカラカラに乾いた革に、油分が内部まで浸透することで、本来の黒さが現れると思っています。
これまではデリケートクリームで十分復活できましたが、3回目の染め替えとなった今回は、もっと油分が必要なのかもしれません。
これなら対策は可能。というか、これにかけるしかない状況です。
秘策登場!効果は…
となれば、がっつりオイルを入れてみましょう!
「Boot Black / Rich moisture ブートブラック リッチモイスチャー」
少々お値段は張りますが、浸透力も保湿力も抜群のお気に入りオイルです。
通常は指に適量取って、塗り広げていくんですが、今回は緊急事態。瓶を逆さにして直接オイルを靴に振りかけてから塗り広げました。
頼む!!!
・
・
お、おぉ…
ゴクゴクと音が聞こえそうなぐらい吸い込んでいきます。
おぉぉぉぉ!!!
これは・・・
大成功じゃあああ~!
よく見れば多少のムラはありますが、このくらいならクリームとワックスで余裕で隠せそう。
同時に、内部から輝く様なツヤも復活。
さらにはクラックの心配までしていた革の状態も、弾力を感じるほどの「超モチモチ」に。
いやリッチモイスチャーすごっ。
かかと部分もこの通り。
逆転ホームランを打った気分。やる気がみなぎってきました!
真の黒へ…クリーム&ワックスで仕上げ!
ここまでくれば成功は目の前。
色止め剤を使うことも考えたんですが、クリームの入りに影響しそうで…
とりあえず、いつもの仕上げで完璧な黒ストレートチップにしてあげましょう♪(上機嫌)
定番のサフィール軍団。
前回は顔料主体のクリームも試しましたが、願わくば芯まで黒い「ディープブラック」ですから、染料を含むクレム1925を選択しました。
薄く全体に塗り広げてブラッシング。
一応フォーマル靴なので、つま先と踵には少しだけワックスを入れて光らせます。
もちろんコバも黒ワックスで仕上げて、紐を通すと・・・
完成っ!!
どーですか、この漆黒のアッパー!
ワックスを入れたことで、靴の輪郭がはっきりした、品格すら感じる黒ストチへ。
お尻もプリッとした輝きを纏って・・・
これはもう大満足の仕上がりです。
色ムラのリカバリーに必至になっていましたが、スピランで染めたときよりも確実に黒が深いですね。茶色みはどこにも感じません。
で、早速足入れ。
硬質な艶と、ナチュラルな革の質感を感じる履きシワ。美しい対比です。
スーツに合わせたら即、やり手ビジネスマンの出来上がりですよ。
いや~捨てないで良かった。マジで。
改めてウッキウキで着画タイム
最高の気分でそのまま着画タイム突入です。
本来はフォーマルに合わせるストレートチップですが、ここは私らしくジーンズで。
うん、全然いける!
リジッドな色味でかなり細目であれば、ジーンズと合わせても問題ないように感じますが、いかがでしょうか?
チゼル気味のトゥが、黒ワックスで少しだけ光っているのも良いアクセントになっています。
すっかり上品な大人の足元。…いや、逆に自分らしくないかも笑
横顔も1枚。
青さすら感じる、色温度が低めの黒。染め替えるときにイメージしていたクールな靴に変身できました。
全体にも薄くワックスを入れたので、硬質な艶を感じますね。
これはもうどこから見ても、正真正銘「黒ストレートチップ」爆誕です。
まとめ
なかなか納得のいく仕上がりにならなかった、シェットランドフォックスの染め替え。
結局3回染め直すという暴挙にも耐え、最後には美しい完成形を見せてくれたこの靴に感謝です。
仕事柄、スーツを着る機会は多くないのでこの靴の出番は限られるかもしれませんが、大切に履いて行こうと思っています。
今回の染め替えで得られた教訓は3つ。
・下地処理こそ丁寧に行うこと
・染色は薄く、何回も重ねること
・失敗しても諦めないこと←一番大事
現場からは以上です。それではまた。
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