スニーカーのような軽い履き心地、ハーフサイズ大きい気楽さ。
良いところも勿論あるんですが、履きたい靴は他にもたくさんありまして…
購入当初は抑揚のない、のっぺりした表情がどうも気に入らず、何とか動きのある表情にしようとトゥにワックスを塗った記憶があります。
その後は会社の置き靴として放置される日々が長く続いていましたが…
先日ちょっとトラブルがあって、私も週の半分は現場へ出ることに。
そうです。いよいよマーチンさんの出番が来たわけですよ!
それから2か月、ようやくトラブルも収束に向かい、私の現場仕事もいったん終了。
で、現在のお姿がコチラ。
・・・
すっかり男前になりました。
迫力のシワ感です。
いや~、リアルワークで履くとこんなに超速でエイジングが進むんですね。嬉しい驚きです。
今回は大活躍してくれたマーチンを労い、心を込めたメンテナンス回。最後までお付き合いいただければ。
クロム鞣し革のエイジングは??
皮を革にする工程が「鞣し」です。
ドクターマーチンのスムースレザーはほとんどの場合がクロム鞣しのようです。
Redwingなど、経年変化を売りにするブーツだと経年変化と丈夫さが両立できる「コンビ鞣し(クロム鞣しとタンニン鞣しの混合)」が主流。
一方クロム鞣しは安価で丈夫、水にも強いんですが、経年変化を感じにくい、特に色ツヤの変化はほぼ無いという特徴があります。
特にマーチンのブーツは塗膜が厚い!ただ一般的なガラスレザーとは仕上げが少し違うような気もするんですが…
いや、めっちゃ良いシワしてますやん。
確かに色の濃淡や、質感が変化するような事は無いんですが、元々黒一色ですから。
このクラックの無いうねるようなシワは「アリ」だと思います。
丸いトゥに前回施したワックスの残渣は全く残っていませんね。
結構つま先をぶつけてると思うんですが、小傷はあっても目立ちません。
雨の日もありましたが、シミも見当たりませんし、この耐久性はスゴイです。
チェルシーブーツは靴紐が無いため、ヴァンプに途切れがなく、甲から脛までが連続したシワになるのが特長。面白い変化です。
バックショット。
作業中に履いていましたが、歩行距離としては大したことないので、ヒール部分の減りはほぼありません。
にしてもこのソール、減らなすぎですが笑
放置されていたのもあって細かいホコリが堆積しています。
馬毛ブラシできれいに落として、準備完了です。
マーチンはメンテも簡単!
色艶の変化が無いクロム鞣しレザーはメンテも超楽。時々汚れを落として油分を補給すれば十分です。
そんな時はコレ。
「Mモウブレイ クリームエッセンシャル」
汚れ落とし、栄養補給、艶出しまで1本で出来る優れもので、ズボラな私にもピッタリ笑
適当なウエスにクリームを取って、軽く拭きあげていきます。
汚れたらウエスの位置を変えて、常に綺麗な箇所で拭くように意識。
全体を拭き終わったら馬毛ブラシで仕上げ。
表面に残っているクリームを馴らすイメージ。
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・・・
ここまでわずか15分。
完成!!!
こ、コードバン!??
薄汚れていたアッパーは輝きが復活して、安全靴代わりにするのは気が引けるほどのツヤ感です。
ウネウネの履きシワにも艶がプラスされて躍動感が出ました。
これまでノーメンテで無理をさせてきましたから、少しだけ胸のつかえがとれたような、ほっとした気持ちになります。
自己満足全開、楽しい着画タイム!
さて、無事にメンテを終えたドクターマーチン、チェルシーブーツ。いつものジーンズと合わせてみましょうかね~、ワクワク。
まずは正面。
いいんじゃないですか!?
履きシワが定着したことで陰影が生まれ、表情が出てきました。理想的な成長曲線です。
続いてナナメから。
アッパーの凹凸を感じる角度。
いい感じではあるんですが・・・う~ん。何でしょう。
ちょっとビニールっぽさを感じる艶なんですよね。いかにも工業製品といった無機質さです。
「色の濃淡が出ない」「均一な質感」など、クロム鞣し革の経年変化が評価されない意味が少しわかったような気がします。
メンテ直後は「まるでコードバンの艶!」なんて調子に乗ってましたが、さすがに無理があり過ぎでした笑
右足と左足の差はエグイです笑
そもそも足の形は左右で差があるもの。さらにリアルワークでは利き足の関係もあって、エイジングの違いが顕著。
これが私のエイジング。経年変化の楽しさってやつですね。
まとめ
美しく変化していく革製品とは目指す場所が違うのがマーチンのブーツ。
とんでもなく頑強なアッパーとクッション性に富んだソール。実用性の塊のようなブーツです。
細かい変化を感じてテンションが上がるようなことはこれからもなさそうですが、現場仕事の頼れる相棒として長く活躍してもらう予定。それではまた。