待ちに待った新型ベックマンを履き始めて、はや2ヵ月。
ローテーション入りに留まらず、集中強化期間として週2~3回、通勤時に登板させてきました。結果は…
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こうなります。
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変化早過ぎない?
ヴァンプには履き皴がクッキリで、足の動きにあわせて形状が変化してきたのがこの写真でも伝わりますよね。これはもう既に1年ぐらい履いた貫禄。
いや、最初からそんな予感はしていたんですよ。
とはいえ、さすがに週2回、通勤で1時間ほど履いてるだけでこんなにも変化が大きいとは…
そんな新型ベックマンのエイジングは旧ベックマンとどう違うのか。最後までお付き合いいただければ。
履き込み2ヵ月のBeckman9422
明るい位置に移動させました。
率直に言うと、「無事」カッコ良くなってくれました。
Redwingのブーツってエイジングをさせることで完成するんですよね。履き込み2ヵ月なので本来の魅力を発揮するのはまだまだ先ですが、間違いなく良い方向に進んでいます。
先芯の無いフラットボックスほどではありませんが、つま先部分はかなり平たくなったように感じます。
新品の時はこれでしたから。
…茶色いゆでたまごですやん。
ツルっとしてなんだか丸みのある可愛いフォルム。子供の長靴みたいな。
これだけ短い期間の履き込みで、ここまで形状が変わるブーツは私の中では初めてですね。
嬉しいような、少しコワイような笑
履き皴にはオイルが逃げて薄くなった部分が淡い色になって、美しいグラデーションに。
元々あった「トラ」柄(原皮のゆるみがシワなどの表情となって残ったもの)もあって、ワイルドな表情で大変気に入っています。
何と言ってもシャフト部分の凹凸がスゴイんです。
オイルたっぷりのエクスカリバーレザーとなったことで形状の変化が起きやすくなった、ということでしょう。
履き始めてすぐエイジングを感じられるのは嬉しい部分でもあるんですが、逆に考えると型崩れも簡単に起こってしまいそうで怖さもありますね。
ちなみに、「クロムエクセル」と似ていると言われることもある、この「エクスカリバーレザー」。
確かにどちらもツヤの出やすいオイルレザーという部分はありますが、個人的にはクロムエクセルはもう少し素朴な印象です。ガッツリ油分が入った重厚感があって、表面にもホコリを吸着してしまうようなしっとり感が残ります。
エクスカリバーレザーは比較すると軽く感じますし、表面はサラッとしています。扱いやすい気がしますね。
この感覚の違いがエイジングにどんな差を生むのか、もう少し履き込めばはっきりするかも。
旧型後期9411と新ベックマン9422のエイジング比較
同じように、購入からワークブーツとして履き込んだ旧型9411。すでに3年が経過しているベテラン選手と比較です。
やっぱり旧型はソールが厚いですね。ワークブーツらしいシルエットにスムースレザーのツヤ。比較するとやや大人しく感じる9422です。
印象はかなり違います。
9411はスムースレザーらしい鋭いツヤがありますが、9422は鈍く光るオイルドレザー。
甲の部分は履いた印象と同じく9422の方が少し低いように見えます。
ノーズは新型9422の方が細く薄く感じます。履き込んだことで更にその印象が強く表れています。
履き皴に色の濃淡が出る9422と、シワ部分が白っぽく映る9411。
3年vs2ヵ月でほぼ互角になったシャフトのシワ感です。
ただ、思ったより新型9422は革の張り感がしっかりしていますね。ここは新型の方が断然好み。
真上から。
旧型ベックマンと比べ、内振りが少なくなっているのが分かります。木型の違いは他にも色々とシルエットに違いを生んでいるようで、9422はヒールカップが小さくなったせいで、踏まずの絞り込みが目立たず、寸胴に映ります。
全体のシルエットは旧型ベックマンの方が好きかも。
ただ、旧型でも末期のフェザーストーンレザーにスペシャルな印象は持っていません。個体差もあるかと思いますが、革は薄く顔料による塗膜で均一なツヤ感を補っているように感じています。なのでエイジングが少し退屈なものになってしまっています。
一方、新型は思い切ってオイルドレザーにしたことでRedwingらしい経年変化を楽しむことができます。これは大きなメリットでしょう。
8番ラストのシルエットが好きな方なら「ブラックスミス」という選択肢もありますし、もはやプレミア価格で旧型後期のベックマンを手に入れる必要はないと言っていいでしょうね。
旧型前期9014と比較!
我が家のもう一つのベックマン。
こちらは旧型でも10年以上前のいわゆる前期型。唯一シューツリーを入れて保管している超お気に入りブーツです。
シルエットも迫力も別物に見えるのは、私の個人的な思い入れのせいだけではないと思います。
シューツリーを入れているせいで返りはついていませんが、つま先のポッコリが目立つ9014。ワックス無しでもこの輝きです。
並べると9422のシャフト部分は太く見えますね。
新型で一番お気に入りのシャフトのシワは、この時期のベックマンと比べても十分戦えるレベル。むしろ新型の方がカッコいいまであり得ます。
ただ革質はやはり旧型前期のフェザーストーンの方が1枚も2枚も上。
革に厚みがあるおかげでモッチリしているんですが、表面はツヤが出やすく、ドレスブーツほどでは無いにしても加工感が少ないんですよね。私の9014は黒ですが9011とかだと経年変化で赤味が抜けて、本当にクラシックなカッコ良さが出てくるんですよ。
旧型でも前期と後期ではタンの厚みはこんなに違うんです。(ちなみに新型9422は後期と同じぐらいでした)
Redwingというワークブーツブランドのタフさと、このスペシャルなレザーの融合こそが「クラシックドレス」と銘打ったベックマンを特別なものにしていたはずです。そういう意味でフェザーストーンレザーが生産中止になったのは、やはり残念です。
とはいえ、後期のフェザーストーンは良い印象が無く、加えて新型には「オイルレザーのエイジング」という武器が備わりました。
224番という美しい木型の上で更に熟成されるエクスカリバーレザーへの期待感。「クラシックドレス」の新機軸に育ってくれる、そんな予感もあったり。
まとめ
前にも書きましたが、同じ「ベックマン」の名を冠するブーツですが、新型はやはり別物です。
エイジングが現れるまでの期間は本当に一瞬。
このまま履き続けると一体どんな変化にたどり着くのか、そんなワクワクを感じやすいブーツ。Redwingも安くない価格帯になってしまいましたが、それは他のブーツブランドも同じで、この価格でこのクオリティは流石Redwingといったところでしょう。
「あの頃はモノが良かった」って、それで思考停止するような人間にならないよう、まだまだ履きまくります。今後の経年変化はエイジングレポートで紹介していきますのでお楽しみに。
それではまた。