毎月の残業が60時間を超える社畜代表の私ですが、今日は強引に有休を取りました。
なんでって??
先日手に入れたコイツを、たっぷり時間をかけて調教(ただのプレメンテ)してやろうと企んでいるからでして。ムフフ。
・
・
・
「Redwing ”Irishsetter” 877」
Redwingの原点にして頂点、すべてはここから始まったといっても大げさではない同社のアイコンブーツです。だってアメリカの本社には超デカ877が飾ってあるぐらい。
出典:https://www.startribune.com/
・・・US638ハーフ笑
そんな877の魅力に触れながら、初めてのFSとして我が家のアベンジャーズとなったこのブーツをお手入れしていきます。
最後までお付き合いいただければ。
緑青(ろくしょう)がびっしり・・・まずはここから
竜王アウトレットパークで購入したのは、FS=ファクトリーセカンド品。いわゆるB級品ですね。
色々確認したんですが、B級品となった原因の箇所はよくわかりませんでした。というかこれまで購入してきた並行輸入品のクオリティと比べれば、こっちの方が品質高いような笑
ただ1点、最初から気になっていたのがこれ。
ハトメ回りにびっしりと生えた「緑青」。カビのように見えますが、銅の錆です。
真鍮などでできたハトメが、空気中の水分や、革に含まれる油分等に反応して錆が発生。877のようなオイルドレザーは特に発生しやすいようです。
あぁ、裏側にもびっしり・・・これは私史上最強の緑青・・・。
経験されている方も多いと思いますが、これを除去するのってもうメチャクチャめんどくさいんですよね~。
特に裏側の菊座部分は形が複雑なので簡単には取れません。ただ、放っておくと
こんな感じに接触している部分が着色されてしまいます。で、こうなったら2度と取れません。
シューレースも少し汚染されているようですし、履き始める前にしっかり掃除しておかないと。まぁ有休を取った今日の私には有り余る時間がありますから。
竹串です。つまようじでも大丈夫ですが、ある程度長さがある方が扱いやすいかな。まずは取れるだけこそぎ取ってしまいます。
細長くてある程度固いものなら何でもいいんですが、レザーを傷めないよう素材には注意が必要だと思っています。
あとはハトメに沿ってぐるっとほじくっていきます。
この緑青、無害らしいのですが衣服につくと色が移って取れなくなるので要注意。私は新聞紙を引いて、最後にまとめて捨てる作戦です。
裏側はさらに時間がかかりますが、コツコツとほじるのみ。
次にステインリムーバーを浸した綿棒でゴシゴシ。
スキマに落ち込んだり表面に残った緑青をまとめて除去していきます。
お酢や金属の研磨剤を使う方もおられるようですが、革へのダメージ軽減を優先して私は大体この方法を取っています。
仕上げは固めの小さいブラシで残った緑青のかけらを完全に掻き出します。
・
・
・
はい。ここまで綺麗になりました~。
片足で余裕の1時間超え。服につかないように床に屈んで作業していたので、すでに腰はパンパンです。
マジか。もう片足は今度…
いや、何のために有休を取ったんだ、やるぞ、がんばれ私!
・
・
腰を犠牲にして、877は無事綺麗な姿を取り戻しましたとさ。めでたしめでたし。
6インチ丈アイリッシュセッターとの違いは?
腰の回復を待って、次の日。
ようやく綺麗になった8インチ丈の877を、改めて6インチのアイリッシュセッター8131を比較してみます。
877は私にとっては初めての8インチですが、そもそも元祖はこちら。ハンティングブーツとして発売された当初から全くパターンが変わっていない、いわば生きる伝説です。
現代のニーズ、特に日本のように履き脱ぎが多い国では、6インチの875の方が使い勝手が良いのは間違いないのですが、単体でのバランスはやはり877が一枚上。
オロイジナル時代の877はハトメが黒いのも特徴ですね。(ちなみに現行の877はシルバー)
真上から見た写真。
微妙な違いですがモカ縫いの内側、877の方が面積が広いのが分かります。ベタっとしている印象でワークブーツ的。
今回一番驚いたのはヒールカップの違いです。わかりやすく後ろから見た写真で。
並べると877は踵が小さく、スタイリッシュに映ります。8131の方は中年のおじさんのようなずんぐり体形。
実は877にはかかとの側面に補強された芯、いわゆるヒールカウンターが無い(バックステイの内に収まるぐらい小さい)んですよね。
側面を指で押せばベコベコしてます。
ここが履き込めばどう変わっていくのか、ワクワクしますね。
横から。これはもう一目瞭然の明白な違いが。
ハンティングブーツの機能性の為か、877はヴァンプの下部分がぐるりと一周しています。スティッチ部分から水が浸入するのを防ぐ役割があるとか。
対する8175はシャフトにつながる部分とパーツが分かれていますから、やはり、877はアウトドアブーツとしての当時の顔を色濃く残していると言えそうです。
後編はプレメンテとサイズ感を中心にぜひこちらもご覧ください↓
- 1
- 2