恐るべきコストパフォーマンスで日本の革靴界を一気にのし上がったジャランスリワヤ。
レザーといえば欧米という私見を打ち破った、インドネシアのシューメーカーです。たくさんのラインナップから、私が所有するサイドゴアブーツ98411をご紹介します。
ジャランスリワヤの歴史
創業は1919年とかなり古いです。この頃はオランダの植民地だった事もあり、外国向けのミリタリーブーツを作っていたそう。流れが変わったのは、オーナーの息子がイギリス、フランスへ靴作りの修行に出た事。
帰国後、彼は習得した技術、人脈を用いて高級靴ブランド、ジャランスリワヤを立ち上げます。圧倒的なコストパフォーマンスで世界中で人気を博し、最近は日本のセレクトショップでもよく見かける程メジャーな存在となりました。
サイドゴアブーツ98411のディテール
まずは全体像です。
プレーントゥのシンプルな顔つきに加え、靴紐も無いのでツルッとしたイメージ。私はデニムしか穿かないのですが、このブーツはスーツにも合わせられるドレス感があります。
カラーはCASTAGNA。赤みのある茶色です。
バックショットを
履き脱ぎする時に踵のシワがついちゃってます。これは後述しますが、足入れで非常に苦労してまして…
カップの曲線が美しいですね。ヒールにはレザーの積み上げもあって、とてもドレッシーなシルエット。
真上から
使われているラストは11120という型で、ややロングノーズで絞り込みの効いた、エレガントな雰囲気です。
コバの仕上げも丁寧でドレスシューズの趣きがあります。
アッパーにはあのデュプイ社のカーフレザーが採用され、ソールはダイナイトソール。この値段でこのマテリアル、素晴らしいです。
内側を見るとこんな感じ。
ライナーは革張り。記載されているのは、型番、ラストナンバー、サイズ。trickersと比べると読みやすいです笑
デュプイカーフの革質
エルメスをはじめ、多くの超一流メーカーに革を卸すデュプイ社ですが、ジャランスリワヤで採用されているものとはグレードが違うと聞いた事もあります。
とはいえ、そこは名門タンナー。こちらのブーツに使われた革質もキメの細かい美しいレザーです。加工された感じではなく、素材そのものの良さが際立っています。
これまでワークブーツばかり履いてきた私にとってはとんでもなく上質な革です。
緻密で繊細な印象ですが、ここにキズがついたら台無しになりそうで…少し気を使います。キズや汚れも味として許容できるワークブーツとの違いですね。
でも更に上のグレードってどんな質なんでしょうか?想像もつきません。革の世界は奥が深い…。
ダイナイトソール、ハンドソーン・ウェルテッドの履き心地
ソールはダイナイトソール。手持ちではトリッカーズと同じです。フォーマル感を失わない薄めのラバーです。
で、製法はハンドソーン・ウェルテッド。
グッドイヤーの原型といわれ、機械縫いは最後のアウトソールのみ。ほぼ職人の手縫いで作られます。リブと呼ばれるパーツを使用しない為、グッドイヤーと比べ返りが良いといわれています。
確かに同じソールを使用したトリッカーズと比べるとすこぶる返りが良いです。
ただ、最初は木の板のようだった靴と比べるのもどうかと…
あと、事情があって長い時間履いた事がないんですよね。今のところ評価が難しいです。
サイドゴアブーツ98411のサイズ感
私の足のサイズは 足長:257mm 足囲:253mm 足幅106mm。
こちらのブーツはトリッカーズと同じUK7を着用していますが
…明らかに小さいです。特に甲は低いです。
ラストにもよると思いますが、USサイズに近いような気がします。恐らくジャストは7.5だと。
購入にあたり地元の百貨店で試着もしたんですがその時から少し小さいかなぁという印象でした。ただ店員さんは絶対UK7で良い!と言って、7.5を試着もさせてくれず…今思うとUK7.5の在庫が無かっただけかも。
コルクの沈み込みが大きいとも言われたので、まぁすぐに馴染むだろうと購入しました。
帰宅後、試着してみて絶望しましたね。
小さいとかいうレベルではなく、そもそも足入れが出来ませんでした。お店では小さめながら、普通に履けていたのにです。たぶん試着は店頭に並べてあったものだったので何度も試着されて、履き口が緩くなっていたんだろうと思っています。当時サイズ交換は頭に浮かばず、何とか履こうと靴ベラでグリグリしてるうちに、踵部分はシワだらけ。ついでに靴ベラは折れました。
別の靴ベラで何とか履けたのは30分後。
立ってるだけで甲が締め付けられている感覚で、サイズミスを確信しましたが、時すでに遅く、呆然とシワだらけのかかとを見てました泣
その後しばらくは仕舞い込んでいましたが、ふと名案が浮かびました。「スーツ用の靴下なら履けるかも」
早速履いてみると大正解。甲はキツめながらほぼジャスト。ツルッとしているので足入れもスムーズでした。という事で、今後は1年に数回しかないスーツ着用時の専用ブーツとして履くことになりそうです。
とは言うものの、何とかデニムと合わせられないかと…未練タラタラですが。
まとめ
試着で1番失敗したブーツで、逆に思い入れがあります。この靴以後、試着のときは店員さんのアドバイスもしっかり聞きますが、最終的には自分の感覚を大事にしています。勉強になりました。
デュプイカーフにダイナイトソール、ハンドソーンウェルテッド。これで3万円台というのは、コストパフォーマンス抜群でしょう。
スーツを着用される機会が多い方には充分オススメできるシューズです。
UKサイズとしては小さめに感じます。試着必至ですかね。
最後はコーデ例を。リジッドデニムならいけるかも…
ではまた!