【染め替えへの挑戦】レッドウィング9875のメンテ大失敗!②‐黒の逆襲編

はぁ~。何回見てもため息しか出ません。

前回のメンテで大失敗をかましたレッドウィング、ゴールドラセットセッター9875。

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ほんの小さな傷を隠そうとしているうち、雪だるま式に被害が大きくなってしまってこんな具合に。正直何もしないのが1番良かったと今でも思っています。

とはいえこのままにするわけにもいかず、ついに「黒への染め替え」に手を出す決意を固めました。

これ以上悪くなることは無いと信じていますが、さてどうなることか…

 

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染め替えに準備したもの

以前から染め替えには興味を持っていたので、準備するものに特に戸惑いもなく、すんなり集められました。

まずは写真左アセトン。普通のホームセンターでは手に入らず、業務用のホームセンターで500mlを購入しました。

アセトンは革の色抜き、脱脂に使用します。

どのくらい必要かよくわからなかったんですが、結局半分ぐらいあれば余裕でブーツ1足の色抜きは可能です。

写真右は前回も登場したスピラン。今回は黒色で。アルコール系の染料で脱脂した革に浸透して染め上げます。ツルっとした顔料系に比べ自然な仕上がりになるという噂。

あとは100均で絵筆と小皿を購入。全部合わせて2000円いかないぐらいですが、これでブーツが復活したら安いもんです。

筆入れ前の下準備が大事!

早速レザーの脱色・脱脂から始めます。大好きなゴールドラセットも今日で見納め。一緒に年を取ろうと約束してたんですが・・・こんなオーナーでごめん。

使い古したタオルにアセトンをたっぷり染み込ませて擦っていきます。

アセトンは有毒なので風通しの良い場所で。可能ならゴム手袋を使いましょう。

ちなみに気持ちが焦っていたので写真は少なめ。

最初はビビりながらやっていたんですが、原皮がみえるぐらいガシガシ擦ったほうが良いらしいので、目一杯力を入れて擦りました。

この工程をしっかりすることできれいに色が入るようなので念入りに。特に羽根の付け根や、レースステイ周りなど細かい部分は意識しないと上手く脱色できないので要注意です。

タオルに色移りが無くなれば完了。1時間ぐらい擦りました。腕がパンパンです・・・

1段色味が薄くなって、カラカラに乾いている様子。こんなもんでしょうか。

 

筆入れ!色を塗りたくない部分にはマスキングテープを

オールブラックにしようかとも思いましたが、せっかくなのでパイピングのこげ茶はアクセントとして残しておく方針に。

ウェルトとステッチも黒染めしないように、パイピング部分と合わせてマスキングテープで保護しました。

マスキングテープは妻に借りたんですが、まさかの花柄。えらく可愛らしいセッターになりました。

いよいよスピランで筆入れです。

染まりにくい「羽根の付け根」「テンションのかかっている「つま先」「かかと」から塗っていきます

・・・なんですが、ここでも焦ってしまって作業中の写真を全く撮っていません笑

いきなりの完成状態がこちら。

全体を4周ぐらい塗り重ねました。

みるみるうちに乾いていくので、重ね塗りは思ったよりスムーズにできます。

最初のうちは下地のゴールドラセットが見えていて不安しかなかったんですが、塗り重ねるうちに一応黒っぽくなりましたね。

ただ、真っ黒というわけではなく薄っすら下地が見えているような・・・

もっとアセトンでの脱色をしっかりやっておくべきだったかもしれません。

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仕上げは靴クリームで

2時間ほどで完全に乾燥してそうだったので、部屋に持ち込みました。

花柄のファンシーなマスキングテープを外すと、それなりの面構えですが・・・

とんでもなく革が乾燥しています。色も真っ黒というよりダークグレーに近いような。

とりあえずビチョビチョになるぐらいデリケートクリームで水分補給しましょう。

写真左(右足)のみデリケートクリーム補給後です。

圧倒的に質感が上がりました色ムラも収まって黒に近づいたのが写真でも判ります。

まぁアセトンでの脱脂とアルコール染料での色付け、どう考えても乾燥しまくりのはずですから。

それにしてもデリケートクリームでこれだけ表情が変わったのは初めて。というか効果を実感したのも初めてです笑

仕上げはコロニルシュプリームクリームにします。

今回はとにかく栄養分をしっかり入れるのが最重要課題。両足にしっかり塗布して化繊ブラシでブラッシング。みるみるうちにツヤが出てきます。

シューレースを通して・・・

ドン!完成!!!

素晴らしいツヤ感が戻りました。当然、トゥのキズもシミもなかったことに。とりあえずきれいに染まってくれて一安心です。

ウェルトとパイピングの茶色は残して正解でしたね。シューレースの茶色とともに重すぎないバランスを保ってくれています。

早速履いてみましたが、やっぱり黒はコーデが締まります。

これは・・・「アリ」じゃないでしょうか

 

細部を補修します

全体の出来栄えには大いに満足していたんですが、よく見ると染まりきっていない部分がチラホラ。

パーツが入り組んだ箇所はアセトンでの脱色がうまくできていなかったようです。

綿棒を使って再び脱色、スピランで補色、と先ほどと同じ工程を繰り返しました。

デリケートクリームと靴クリームを塗った完成形がこちら。

先ほどよりはかなり良くなりました。これ以上すればまた痛い目に合いそうなので、これにて完成!という事で・・・

改めて試着タイムです。

APCの細目のデニムと合わせましたが・・・

イ、イケる!!!

ぽってりとしたシルエットですが色味が変わるだけでかなりスマートな印象になりました。

これは逆襲成功、といっていいんではないでしょうか。

 

まとめ

生産終了も噂される貴重なゴールドラセットセッターを真っ黒にしようという暴挙。

何とかゴミにならずに済んだ事に心の底からホッとしていますが、ゴールドラセットの美しさを失ったショックはやはり計り知れません。

生まれ変わったこの靴はこのまま無色のクリームで仕上げ続けようと思っています。

そのうちキズやシワの部分からゴールドラセットが顔を出して、茶芯レザーならぬ「金芯レザー」となってくれれば。

・・・想像してみると楽しくなってきました。

まだまだ長い付き合いになりそうです。相棒、これからもよろしく!

最後に今はなき、染め替え前のお気に入り画像で惜別を。それではまた。

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